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ケースレポート2:
精子選別による顕微受精でご出産に至ったケース

レディースクリニックでのART(生殖補助医療)で流産を繰り返していたが、当院で選別精子を使用した結果、妊娠に至ったケースが出ています。非常に厳しいケースで9件の妊娠が確認できています。

当クリニックでは、これまで何度も顕微授精を行ったがなかなか妊娠まで至らないカップル等を中心に、提携レディースクリニックと連携して、独自の手法を用いた選別精子を活用した治療を行っています。2014年6月30日時点で、極めて厳しいケースがほとんどですが、54名のうち9名の妊娠例が出ています。
その中から、ご本人から掲載の許可をいただいた診療事例をご紹介いたします。

港区在住A様ご夫妻(旦那様40代後半、奥様30代後半)

インタビュー日時:2015年1月A様ご自宅マンションにて。

A様の不妊治療歴

2009年
ご結婚
2010年
不妊治療スタート 初めて受けた精子検査でご主人に乏精子症との診断
2010年
レディースクリニック(以下LC)にて体外受精(IVF)を三回行うもご出産に至らず
2013年 9月
エス・セットクリニック初来院、男性不妊治療開始。エス・セットクリニックの選別精子の受入が可能なLCへ転院
2014年 3月
エス・セットクリニックで選別した精子による顕微受精で妊娠
2014年12月
元気な男の子をご出産


妊娠発覚時の感想は「そんなはずはない」

お昼寝中のご長男(生後2か月)を抱えながら、医師からの妊娠報告を受けた時の感想をこのように語っていただきました。
不妊治療を続けること約3年。3回の体外受精(すべてIVF)を経て、4回目の体外受精(顕微受精)で待望のご長男を授かったA様。
「これまでの3回の体外受精(IVF)では毎回受精し、胎嚢が見えるまではいくのですが、結果は初期流産となっており、今回も期待はしていませんでした。」と奥様。その後、お腹の中の赤ちゃんは順調に成長し、ご出産もスムーズなお産だったとのことでした。
元気な赤ちゃんを抱きながら、奥様は以下のように述べていただきました。
「私(奥様)の子宮内ポリープの手術の直後に着床したことから、手術による改善の影響もあったかもしれませんが、エス・セットクリニックで良好精子を選別しそれを体外受精(顕微授精)に使用したことが、良い結果に結びついたと感じています。」
当院で選別した良好精子を、かかりつけのレディースクリニックでの顕微受精に使用し、無事ご出産に至ったA様ご夫妻。そもそも「精子の選別」を当院で行うことにしたのは、どのような経緯があるのでしょうか。

顕微受精を検討した段階で「良好精子の選別ができる施設を探しました」

「当時通っていたレディースクリニックの院長の話から、初期の流産の原因の一つに受精した精子のDNAの断裂があり、DNAレベルで精子を選別して体外受精に使用することが大切である、ということを知っていました」と奥様。A様ご夫妻は、当時通われていたレディースクリニックで体外受精(IVF)を3回試みましたが、いずれも出産には至らず、顕微受精へのステップアップを決断されました。
「当時通っていたレディースクリニックでは、院長の方針で顕微受精は行っていませんでした。なので、精子の選別ができ、かつ、顕微受精を行うことが可能なクリニックの組み合わせを探しました。その結果、エス・セットクリニックで良好精子の選別を行い、その選別した精子を使用可能なレディースクリニックで顕微受精をすることが私たち夫婦にとっての最適解であるとの結論に至りました」
A様ご夫妻は当初から「質のよい精子を選別すること」に高い意識を持たれていたようですが、そのきっかけはどのようなことだったのでしょうか?
「結婚後1年目で精子の検査を受けたのですが、極度の乏精子症であることが判明し、私(夫)としても、不妊治療への覚悟ができました」と旦那様。
「私(奥様)も年齢による卵子の老化があり、夫も極度の乏精子症であったことから、夫婦両方の底上げが必要だと感じていました。私たち夫婦の場合、夫側の症状が重かった(極度の乏精子症)ことから、最短で妊娠に至るための方法をつきつめて考えました。それが結果として妊娠・出産への近道になったと感じています」と奥様。
A様ご夫妻の場合、最初の精子検査で極度の乏精子症が判明したことで、軽視されがちな男性側(精子)について、不妊治療を開始した当初から意識が向けられていたようです。

不妊治療のリスクを下げるための「精子の選別」

「子供については、単に生まれればいいのではなく、健康な子供が欲しいと考えていました」と旦那様。
不妊治療を始めた時から、単に妊娠することだけでなく、“いかに健康な子供”を授かるかに常に意識を向けられていたようです。
「2番目に通ったレディースクリニックの院長から、顕微受精は胎児の先天異常との関連性がある、と聞いており、顕微受精に使う“精子の質”が重要であると考えていました」。2012年にアメリカの医学雑誌「The New England Journal of Medicine」において、顕微受精の場合、自然妊娠に比べて子供に障害が発生するリスクが1.57倍になると発表されています。
「妊娠してからも安定期に入るまでは不安で、心拍が確認できてもまったく安心できませんでした」と奥様。「妊娠後に胎児クリニックで胎児の診断を受けましたが、20週で胎児の先天異常や、奇形がないことが確認できてからやっと安心できました」と奥様。
「DNA損傷の少ない精子を選別して顕微受精に使用することで、少しでも顕微受精のリスクを下げることができると考えました。」と旦那様。
「年齢(奥様妊娠時30代後半)から卵子の老化も大変気になりました。不妊治療の勉強会で卵子の老化が進むと、精子のDNA損傷がある場合の修復機能が低下すると聞いていたため、よりいっそうDNA損傷の少ない精子を選ぶことが大事だと考えました」と奥様。
「子供の健康については“生まれてから考える”という感じて、不妊治療が子供の健康に与える影響や、不妊治療のプロセスについてはあまり深く考える機会が少ないのではと思います」と奥様は話されていました。

不妊治療中の苦労について

3回の体外受精を経て、当院での選別精子を使った1回目の顕微受精で無事ご出産されたA様ご夫妻、不妊治療を始められてからの過程は大変なご苦労があったようです。不妊治療中の苦労について、ご夫婦にお伺いしました。
「不妊治療で一番つらかったのは何回も採卵と移植を繰りかえすのですが、そのうちにさして行うべき治療がなくなってくることでした。うまくいかない原因がわかるうちは、治療をすればいい結果になるとの希望が持てますが、さして原因が判明しないまま不妊治療を続けるほどつらいことはありませんでした。医師から、妊娠がストップしたとの診察を受ける都度、診察室で泣いていました。」と奥様。
「不妊治療でつらかった記憶として、2番目のレディースクリニックでは毎回体外受精の都度、受精はするものの、妊娠検査薬のマークが日に日に薄くなっていって、自然流産してしまうことでした。毎日期待するものの、裏切られる。これは夫婦ともに大変こたえました。妻が毎回がっかりしている様子を見るのがつらかったです」と旦那様。そんな奥様の様子をご自宅で見るたびに不妊治療を早くやめたいとなんども思っていらっしゃったたようです。
「自然流産の時は、毎回なんで、なんでと思い詰めていました。そして、その『なんで』に対する答えをエス・セットクリニックの高度精子検査が示してくれたことで、精神的にとても助かりました」と奥様。
精子について徹底的に検査しておくことで、夫婦がおかれている状況を正確に把握することができ、不妊治療を進める上でも、安心材料となったようです。
「そして、精子の検査と良好精子の選別を行うことで、体外受精の時にも精子側には問題がないと考えることが出来ましたので、安心して不妊治療に臨むことができました」と奥様。
「安心して不妊治療を進めていくためにも、不妊治療の早目の段階で男性側の精子検査を徹底的に行うことが大切だと感じました」と旦那様。

不妊治療中は、ご夫婦間ではどのようなコミュニケーションをされていたのでしょうか?
「不妊治療中はよく、喧嘩をしました。といっても、私(夫)が一方的に怒られるといった具合ですが」と旦那様。
「私(妻)も夫にあたることは悪いとはわかっているのですが、なかなか結果がでないと自分が悪いのだと思ってしまい、その気持ちを夫にぶつけてしまいました。」と奥様。
「つらい時期は時間が過ぎるのを待つしかないと感じています」と旦那様。

不妊治療のクリニックや不妊治療の方法について、徹底的に調べご夫婦間で納得できる方法を追求されたAご夫妻。ご自身が不妊治療についての情報収集をする段階でどのような点に苦労されたのでしょうか。
「レディースクリニックによって不妊治療のやり方が違うため、患者自身が病院を選ぶ必要があるのですが、実際に治療を受けてみないと治療方針の違いが判らない点です。そして、自分に合った病院にたどり着くまでにどうしても時間がかかってしまい、時間が浪費されてしまいます。私たちの場合は、自分たちの状況にフィットする病院にたどり着くことができ、それが良い結果に結びついたと感じています」と旦那様。
「私(夫)が感じるのは、施設ごとの妊娠率という概念はやめてほしい、ということです。クリニックによっては、胎嚢が見えたところで妊娠率の分母に入れているところもあって、数字の根拠がバラバラですし、なによりいろんなケースの患者さんを施設ごとに一括りにして妊娠率を表示することについては疑問を感じます。」と旦那様。
「不妊治療中に、ランチ会などで他の不妊治療中の方とお話する機会がありましたが、みなさん病院を選ぶ際は先生の感じがいいとか、そういったことを重視していて、不妊治療で使う精子をどのように準備するかなど、不妊治療のプロセスについてはあまり深く考えてはいないように思います。精子の選別といった問題は、子供の安全にとっても極めて重要なことだと思っています。」と奥様。
いかにご夫婦の状況に合ったクリニックを見つけられるかが、不妊治療の成功のカギというお考え方についてはご夫婦ともに共通しているようでした。

エス・セットクリニックについて

精子の選別ができるクリニックをインターネットで探されて、当院に来院いただいたA様。当院での診察や治療についての印象はどうだったのでしょうか。
「妻と比べると男性の不妊治療の負担は極めて軽いと感じます。またエス・セットクリニックは男性不妊専門のクリニックなので、院内に女性の患者がいないことがよかったです。他の男性患者も自分の仲間といった感覚でした」と旦那様。A様は、当院で精子のDNA断裂の状況などを検査する高精度の精子検査を受診後、精子の状態を改善するために漢方・サプリメントを服用し、定期的に精子の状況をチェックし、奥様の採卵のタイミングと併せて精子の選別を行いました。
「私(夫)はエス・セット・クリニックで処方された漢方が効いたのではと感じました。詳細な因果関係はわかりませんが、エス・セット・クリニックでの治療前は精子の運動率が1%程度であったものの、治療後は運動率が6%台にも改善していました」
「エス・セットクリニックの検査の感想としては、最初の検査料が高い(高度精子検査Bコースの場合、検査料は税別12万円)ということでした。ただし、他のレディースクリニックでは精子の選別だけで、もっとかかっており、また、今回1回の選別で結果が出たことを考えると、結果としてはリーズナブルであったと感じます」と旦那様。
「男性不妊の知り合いが周りにいれば、必ずまずはエス・セットクリニックへ行けというようにしています。既に男子不妊に悩む知人二名に勧めました」と旦那様。当院としても、患者様の口コミで来院される方が増えてきています。

子供を授かって実感したこと

不妊治療の末、待望の第一子の出産をご経験されたA様ご夫妻。出産後の感想をお伺いしたら、意外な答えが返ってきました。
「私(夫)はそれほど、子供に執着はありませんでした。不妊治療のあんな苦労をしてまで子供が欲しかったかたと問われればそこまでではないと言わざるを得ません」と旦那様。
「私(妻)もそこまで子供を持つことに執着はありませんでしたが、子供ができない自分に対して、マイナスの感情を抱いてしまうことはありました」と奥様。
しかし、赤ちゃんを抱きながらご夫婦はこうもおっしゃいました。
「今こういう良い結果になって、不妊治療を頑張ってよかったなと思います。二人での生活も楽しかったですが、子供が生まれてからこういう幸せもあるのだなと感じるようになりました」と奥様。
「生まれて2週間ほどは子供が生まれたという実感はありませんでしたが、1か月検診が終わったあたりで子供がかわいいと感じるようになりました。」と旦那様。
最後に奥様から大変印象に残るお話を頂きました。
「不妊治療中も夫にそれほど子供に執着がないことは知っていましたが、子供が生まれてから、夫がおむつを替えたり、夫が子供に話しかけている様子を見て、夫にもこんな一面があるのだなと大変驚きました。子供が生まれたことで、今まで知らなかった夫の新たな一面を発見することができたことが、子供が生まれてからの一番の変化と感じています」

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