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勃起障害・射精障害でお悩みの方へ

今では、男性不妊の3割以上の原因を占めるといわれている勃起障害・射精障害ですが、当クリニックでは、様々な勃起障害や射精障害の方に対し、カウンセリング、治療を行っています。

勃起障害(ED)

定義、症状

日本性機能学会によると、性機能障害(sexual dysfunction)は「性欲・勃起・性交・射精・オーガズム(極至感)のうち、いずれか一つ以上欠けるか、もしくは不十分なもの」と定義され、その中でも『勃起障害(erectile dysfunction:ED)』とは「性交時に有効な勃起が得られないために満足な性交が行えない状態であり、通常性交のチャンスの75%以上で性交が行えない状態」と定義されています。
わが国のED患者は1100万人以上と言われており、決して特殊な病気ではありません。
性交に至ることができない方、中折れ気味の状態が多くなった方、勃起硬度が弱くなったと感じる方が勃起不全治療薬などで治療されています。

原 因

勃起障害の原因としては身体的な問題の無い心因性と身体に問題がある器質性があり、それらの混合性もみられます。
心因性は主にストレスによるもので主に30,40代等の若年層で多く見られます。精神的なストレスがあると、性的な刺激が神経を通じてうまくペニスに伝わらないために、勃起障害が起こりやすくなります。ストレスの原因は人それぞれで仕事や家庭内など日常生活によるものもあれば、EDによる自信の喪失、なかなか妊娠しないことや不妊の検査、治療を行っていることがプレッシャーとなりストレスになることもあります。
器質性は、動脈硬化や神経障害、内分泌機能や陰茎に問題を伴うもので50代に多く見られます。動脈硬化になると血管が十分に拡がらないだけでなく血液の循環も悪くなり、海綿体に流れ込む血液が不足し勃起不全になります。また、脳腫瘍等の病気により脳の神経が傷害される場合や、加齢やストレス等によるテストステロン等の男性ホルモンの低下などの内分泌機能低下症や、病気や外傷や手術により陰茎海面体の血管や神経を損傷するような場合も原因となります。

診 断

診断にあたっては、まず簡易質問として世界的に利用されている国際機能勃起スコア(International Index of Erectile Function)が通常使われていますが、当クリニックではより詳細な問診票を元に、医師の問診にて行います。

↓

治 療

ストレスや生活習慣が原因とみられる場合にはストレスの予防や禁煙、運動などが指導されます。また、そのような目的のカウンセリングを患者やそのパートナーに行いながら、ED薬(PDE5阻害薬)の服用が行われます。PDE5阻害薬は、陰茎の海綿体平滑筋の緊張を緩め血の流れを良くすることで、勃起に導きます。心因性の場合ではED薬を飲んだという安心感により勃起が促されることもあります。
ED薬が無効な場合は、陰茎海綿体注射・陰圧式勃起補助具・血行再建術・陰茎プロステーシス手術などが検討されます。

ED薬

ED薬(PDE5阻害薬)は現在、主に以下の5種類が処方されています。
まず2錠程度処方して、効果を確認します。効果があれば治療を継続していきます。
これらの薬は勃起を解消させる酵素の働きを阻害して勃起をさせるもので、性的興奮を呼び起こす薬ではありません。薬は性欲を高めず性的刺激が無いと全く効果を発揮しないため、性的刺激(場合によっては陰茎の直接刺激)が必要です。射精が終わると勃起は自然に収まります。

それぞれの薬には効果持続時間や即効性、価格などに特徴があるため、医師と相談の上、決定します

都度服用のED薬

  バイアグラ シルデナフィル
(バイアグラの後発薬)
レビトラ シアリス
1回当りの用量

50mg

20mg 20mg
効果持続時間 約3~6時間 約8~10時間 約16~36時間
効果発現までの
時間
40分~1時間 15~30分 30~60分
特 徴 硬さ 即効性、バイアグラに比べて副作用が少ない 圧倒的な効果持続時間
食事の影響 ×
強く受ける

少し影響を受ける

影響なし
1錠当りの価格
(税込)
1,620円
1,080円(※1) 2,160円 2,160円
注意点
  • 飲酒によって効果が得られない患者さんもおられますので、心配な場合には飲酒との併用を避けることをお勧めしています。
  • 脂っこい食事の後には、薬の吸収が悪くなり、効果が十分に発揮されないことがあります。レビトラのほうがバイアグラよりも食事の影響を受けにくいと言われています。シアリスは、食事の影響が無いと言われています。効果が不十分な場合には空腹時の使用をお勧めしています。
  • 狭心症や心筋梗塞の発作を抑えるためにニトログリセリン等の硝酸剤を飲んでいる方は併用ができません。他にもお薬を処方されている方は医師にご相談ください。

(※1)その他、シルデナフィル25mg錠も540円(税込)で販売しています。

日常的に服用するED薬

ザルティア(※シアリスと同剤)
1回当りの用量 5mg (1日当り1錠を連日服用)
特 徴 ED改善の土台作り、排尿困難・前立腺肥大の症状を緩和
食事の影響 ○影響なし
1錠当りの価格
(税込)
540円
ザルティアとは

ザルティア5mg錠とシアリス5mg錠は、成分・用量ともに同じであり、ゆえにその効果も同じです。但し、ザルティアは前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬として厚生労働省の認可を受けているのに対し、シアリスは勃起不全治療剤として認可を受けている点が異なります。ザルティアはED治療薬としては保険適応外となります。

ザルティアをED治療薬として用いる場合の大きな特徴は、EDの根治(完全に治すこと)を目指すための土台作りをしていくという、全く違う治療アプローチであるという点です。
これまでのED治療薬は、薬の効果が切れたら勃起機能が失われるその場限りの効果でした。ドイツで行われた研究報告によると、ザルティア(シアリス)5mgを一年間毎日服用し、その後ザルティア休薬期間(4週間)をおいて、EDの症状をチェックしたところ、136人のうち、63人(46.3%)の患者さんにおいて、ザルティア服用を休止したにもかかわらずEDの改善が継続していることが確認されました。

また、頓用(都度使用:20mg)と連日服用(10mg)のザルティア(シアリス)の処方についての、有効性、安全性と許容性(使い易さ)の比較をオーストラリアの研究チームが行いましたが、ザルティア処方を連日服用した患者さんの方が、満足な性交の完遂と国際勃起機能スコア(IIEF-5)に改善が見られました。

当院では、ザルティアの連日服用法を、新しい治療オプションとして、EDの根治を目指すべく、積極的にこの治療を導入しています。

参考文献を掲載しましたのでご興味のある方は右のボタンをクリックしてご覧下さい。

参考文献

射精障害(早漏・遅漏・膣内射精障害)

定義、症状

早漏は、射精が性交時の膣挿入前または挿入後1分以内に起こることを特徴とする男性の性機能不全をいい、膣挿入で射精を遅らせることができないこと、欲求不満などの負の影響をもたらすものをそれぞれ満たす場合と定義されています。
遅漏は性欲と勃起には問題がありませんが、持続的に射精が難しい状態をいいます。
膣内射精障害はマスターベーションでは射精できますが、女性との性交時には射精できないことをいいます。
早漏の場合はお互いの欲求の面では問題がありますが、膣内射精ができれば不妊への影響は少ないと言えます。ただし、早漏でも膣内挿入の前に射精してしまう場合、遅漏や膣内射精障害の場合には不妊の原因となります。

原 因

早漏は心因性の要因と身体的な要因が考えられます。心因性の要因についてはストレスがあり、早漏を繰り返すことでさらにストレスを増す場合もあります。身体的な要因には包茎があります。包茎の場合は刺激に弱く、膣挿入の刺激により早く射精してしまいます。遅漏は主にストレス、不安感や精神疾患などの心因性の問題と考えられています。
膣内射精障害については主に床に押し付ける方法や強すぎるグリップ等による間違ったマスターベーションの方法が原因と考えられています。

治 療

これらの機能性射精障害については、ストレス等の心因的な要因があればその解消、間違ったマスターベーション方法の改善指導や射精を誘発する陰茎振動刺激が行われます。また、精子の外科的な採取が行われる場合もあります。早漏の場合には射精する寸前まで陰茎を刺激することを繰り返すストップアンドスタートも射精を抑制する訓練として用いられます。

射精障害(逆行性射精)

定義、症状

逆行性射精は膀胱頸部の閉鎖障害のため、精液が膀胱に流入するためにおこります。勃起もし、膣内射精もでき、オーガズムを得ているにもかかわらず、射精している精液量が少ない場合には逆行性射精が疑われます。ただし、膀胱に流入した精液は尿といっしょに排出されるため、有害なことはなく、自覚症状がないことも多いです。

原 因

膀胱頸部や前立腺の手術、高血圧治療薬などの薬剤、糖尿病性神経障害などの神経損傷等により射精時に膀胱を閉じる筋肉に問題を生じ、閉鎖障害を起こすことが原因と考えられます。

診断方法

射精感があった後の尿検体を遠心分離し、その中の精子の有無により診断します。

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治 療

治療の前段階としては薬が原因と考えられる場合にはその要因を除去します。治療としては交感神経を刺激する薬や抗うつ薬などの薬物治療があります。薬物治療が効かない場合は人工授精・体外受精で使用するために膀胱内で精子回収する方法や精巣や精巣上体から精子を回収する方法があります。

射精障害(神経因性無射精)

定義、症状

通常、脊髄損傷の患者で起こる射精障害であり、多くは、勃起障害と精子形成障害を合併しています。

原 因

交通事故や落下・転倒等により脊柱に強い力がかかることにより脊椎・脊髄に損傷を受ける脊髄損傷が原因となります。

治 療

有効な内服薬はありません。射精不能に対しては陰茎振動刺激や電気射精により射精を誘導します。陰茎振動刺激は自律神経反射に異常がない場合には自宅でも行うことができるため、よく用いられる方法です。その他には精子を外科的に採取する場合があります。

【参考文献】

ザルティアの連日服用法の根拠となる参考論文を、当クリニックで和訳及び要約しました。
英語による原文も下に掲載しております。

■和訳(要約)

1) 論文タイトル:

ザルティアの継続服用がもたらすED改善効果~ザルティアの継続服用を休止してもその効果が持続した~

導 入:

これまでの研究は、バイアグラに代表されるPDE5阻害薬の服用による勃起機能改善に焦点が当てられていました。そして、その服用を休止したのちに生じる効果についてはあまり知られていませんでした。

目 的:

この研究の目的は、ザルティアを長期間服用した後の継続的な効果、すなわち、服用休止後においてもEDの改善効果がみられるか否かを調べることにあります。

方 法:

計160名の被験者は、1年間に渡り、1日1回ザルティア5mg錠を継続服用した後、12週間の二重盲検法による試験に参加しました。1年間の継続服用期間終了後においては、4週間の休薬期間を設けました。計158名の被験者が、国際勃起機能スコア(IIEF-EF)(*1)によるチェックを完了し、この分析の対象となりました。

*1)EDのスクリーニングや治療の効果判定に使われる、5つの質問から構成される問診票

主な手法:

評価は、国際勃起機能スコア(IIEF-EF)によって測られるED重症度の変化を分析することにより行います。

結 果:

1年間の服用期間終了時点で、大多数(86.1%、136名)の被験者は、少なくとも1ランク以上のED重症度の改善がみられました(例えば、重症のEDから中程度のEDへ改善(128名)、正常の勃起機能の維持(8名)など)。
4週間の休薬期間の後、被験者63名(全対象者136名の内の46.3%)は、少なくとも1ランク以上のED重症度の改善が継続する(61名)か、正常の勃起機能が維持(2名)されました。これは、継続服用による「持続的な治療効果」を示したものと考えられます。
73名の対象者(全対象者136名の内の53.7%)は、服用休止の後、持続的な治療効果は認められませんでした

結 論:

1日1回のザルティア5mgの服用を一年間継続し勃起機能が改善した男性のうち、46.3%は、4週間の休薬期間後においてもED改善効果を示し続けた。

2) 論文タイトル:

ED治療を目的としたザルティアの都度使用と毎日服用の、有効性、安全性、使い易さ(許容性)の比較

目 的:

ED治療における、都度使用でのザルティアと毎日服用でのザルティアの治療効果を比較し、評価すること。

対象と方法:

被験者は、平均年齢57.3歳(19-82歳)で軽度から重度のED患者、合計145名。被験者はランダムに、都度使用のザルティア(20mg)、または26週に渡る毎日服用のザルティア(10mg)に振り分けられた。
有効性の評価は、国際勃起機能スコア(IIEF-EF)(*1)および患者日記中の性交に関する質問(Sexual Encounter Profile、以下SEP)(*2)の一部を用い、その変化の程度により行った。

*1)EDのスクリーニングや治療の効果判定に使われる、5つの質問から構成される問診票

*2)以下の2つの質問項目を用いた。
[質問2] パートナーの膣への挿入ができましたか?
[質問3] 勃起は十分に持続し、性交渉に成功しましたか?

結 果:

都度使用でのザルティアと毎日服用でのザルティアの双方において強い効果が測定された。
都度使用でのザルティア(20mg)と毎日服用でのザルティア(10mg)を服用している患者は、国際勃起機能スコア(IIEF-EF)でそれぞれ8.3と11.9という大きな改善を示した。改善度合いは、毎日服用でのザルティア(10mg)のほうが大きかった。
都度服用のザルティアの服用患者の69%、および毎日服用のザルティアの服用患者の84%で、性交は正常に完了した(患者日記中の性交に関する質問の[質問3])。こちらも、毎日服用のザルティアのほうが良好な結果となった。
都度服用のザルティア及び毎日服用のザルティアでの治療は、十分に効果が認められた。認められた副作用は、頭痛、顔の紅潮、消化不良であった。

結 論:

ザルティアは、十分な効果が認められた。
毎日服用のザルティアは、都度服用のザルティアと比較して、より高い国際勃起機能スコア(IIEF-EF)と満足な性交の完遂をもたらした。

■英語原文

1)Durability of response following cessation of tadalafil taken once daily as treatment for erectile dysfunction.
Porst H1, Glina S, Ralph D, Zeigler H, Wong DG, Woodward B.
Private Urological Practice, Hamburg, Germany. porst20354@aol.com

Abstract

INTRODUCTION:

Research has focused on improvement of erectile function during treatment with phosphodiesterase type 5 (PDE5) inhibitors, but less is known about what occurs after treatment cessation.

AIM:

The aim of this retrospective analysis was to examine durability of response, defined as sustainability of erectogenic benefits following treatment cessation, in men with erectile dysfunction (ED) following long-term treatment with daily tadalafil.

METHODS:

The subjects (N=160) had participated in a 12-week double-blind trial followed by a one-year, open-label extension of tadalafil 5mg once daily. The extension was followed by a 4-week, treatment-free follow-up period. A total of 158 subjects completed International Index of Erectile Function-Erectile Function (IIEF-EF) domain score and were included in this analysis.

MAIN OUTCOME MEASURES:

The primary measures for this analysis were changes in ED severity category as captured by the IIEF-EF domain score.

RESULTS:

At the end of the 1-year open-label treatment period, a majority (86.1%, n=136) of subjects had either improved by at least one ED severity category (e.g., Severe to Moderate) (n=128), or maintained Normal erectile function (EF domain score ?26) (n=8), compared to baseline. Following the 4-week, treatment-free period, 63 of those subjects (46.3% of the 136 subjects) had continued improvement of at least one ED severity category (n=61) or maintained scores in the Normal category (n=2) compared with baseline. Subjects who showed a sustained benefit of treatment were considered to have demonstrated a "durable response." Seventy-three subjects (53.7%) did not have a durable response following treatment cessation. patient characteristics were associated with durability of response.

CONCLUSIONS:

Of those men who demonstrated improved erectile function while taking tadalafil 5mg once daily for 1 year, 46.3% continued to show improvement compared with baseline following a 4-week treatment free period. Durability of response should be a focus of future research.

2)Comparison of efficacy, safety, and tolerability of on-demand tadalafil and daily dosed tadalafil for the treatment of erectile dysfunction.
McMahon C1.
1Australian Centre for Sexual Health, Sydney, NSW, Australia. cmcmahon@acsh.com.au

Abstract

OBJECTIVE:

To assess and compare the efficacy of on-demand tadalafil and daily tadalafil in the treatment of erectile dysfunction.

MATERIALS AND METHODS:

A total of 145 men with a mean age of 57.3 years (range 19-82 years) and mild to severe erectile dysfunction of various etiologies were randomized to receive on-demand tadalafil (20 mg) or daily tadalafil (10 mg) taken without food or alcohol restrictions in a trial lasting 26 weeks. The three primary outcome measures were changes from baseline in the erectile function domain of the International Index of Erectile Function (IIEF), the proportion of "yes" responses to questions 2 and 3 of the Sexual Encounter Profile (SEP). Additional efficacy instruments included a Global Assessment Question administered at completion of the study.

RESULTS:

Compared with baseline, on-demand and daily tadalafil enhanced all efficacy outcomes. Patients receiving on-demand tadalafil (20 mg) and daily tadalafil (10 mg) experienced a significant mean improvement of 8.3 and 11.9, respectively, in the erectile function domain of the IIEF from baseline (P < 0.001). The mean change from baseline was significantly higher for daily dosed tadalafil than for on-demand tadalafil (P < 0.05). Sexual intercourse was successfully completed (SEP3) in 69% and 84% of patients taking on-demand tadalafil and daily tadalafil, respectively, compared with 30% at baseline (P < 0.001). Successful completion of sexual intercourse was statistically higher for daily tadalafil than for on-demand tadalafil (P < 0.05). Treatment with on-demand tadalafil or daily tadalafil was well tolerated, and headaches, facial flushing, and dyspepsia were the most frequently observed adverse events.

CONCLUSION:

Tadalafil was effective and well tolerated in this patient population. Treatment with daily tadalafil was associated with a significantly higher IIEF erectile function domain score and completion of successful intercourse compared with on-demand tadalafil.

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