1. >男性不妊漢方外来

男性不妊漢方外来

短い診療時間の中で、効率的に、問診、虚実の把握、腹診などの指標で診断を行い、最適な漢方薬を処方します。

受診者のほぼ全員が対象になります。

  • 受診者の精神的・肉体的ベストバランスを漢方治療で果たし、妊孕性(にんようせい;妊娠のしやすさ)の向上をはかります。
  • 年齢の高い方に対しては、 アンチエイジング的に処方します。
  • 精索静脈瘤、慢性前立腺炎などの方に対しては治療薬として処方します。
  • エス・セットクリニック医師陣が開発したサプリメント等とうまく併用し、精液所見の根本的な改善を目指します。

治療の流れ

男性不妊一般検査の受診が前提となります。
男性不妊検査の診察の過程で、問診・腹診により診断を行い、漢方薬を処方します。

1. 問 診(⇒男性不妊一般検査、漢方外来

記入いただいた問診票に基づき、医師が現在の症状の確認及び検査の説明を行います。

↓

2. 視診・触診・超音波(エコー)検査(⇒男性不妊一般検査、漢方外来

精巣、精巣上体、精管、前立腺等の検査を行います。特に男性不妊の方の約4割にある原因といわれる精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)の有無を精査します。

↓

3. 腹 診(⇒漢方外来

腹診は、漢方独特の診察方法で、漢方薬の適応条件を探索する診察法です。
診察台に横になっていただき、全身を脱力させた状態で、医師の手掌を用いて腹部を触診します。

↓

4. 採尿・採血(⇒男性不妊一般検査)

採尿により炎症の有無、採血により精子形成に関連するホルモン6種の検査を行います。

↓

5. 処 方(⇒漢方外来

問診・腹診による診断結果に基づき、漢方薬を処方します。

男性不妊漢方外来の問診

エス・セットクリニックの問診票に加えて、下記の項目等を聞き取りします。

  • 暑がりで汗かきですか
  • 寒がりですか
  • 過労・睡眠不足はありますか
  • 精神的ストレスはありますか
  • 座っている時間が長いですか
  • 運動不足はありますか
  • 尿の勢い、近さ、キレ、の悪さがありますか

虚実の把握(体質の違いを見極めます)

患者さんごとの体質の違いを見極めます。
「虚弱な体質(虚証)」と「頑健な体質(実証)」を両極に置いて個別に傾向を判定します。
虚証、実証を見極め、バランスを取るための漢方薬を処方します。

虚 証

消化吸収機能が弱く、栄養状態不良で、生命反応の予備力低い、治癒機転に働こうとするエネルギーが不足している状態

実 証

消化吸収機能が強く、栄養状態は良好あるいは過剰で、生命反応の予備力が高い、身体のエネルギーが豊富あるいは有り余っている状態(必ずしも健康的ではない)

虚実の鑑別

  虚 証 実 証
体 格 きゃしゃ がっしり
体 型 やせ型または水太り 固太り
栄養状態 不良で皮下脂肪が薄い 良好で皮下脂肪が厚い
活動性 疲れやすく消極的 疲れにくく積極的
皮 膚 乾いてたるんでいる つやと張りがある
筋 肉 弾力がない 弾力がある
か細い 力強い
寝 汗 よくかく かかない
食事量 少ない 多い
過 食 すぐ満腹になる 平気
空 腹 耐えられない 平気
冷たい物の飲食 胃腸の調子を崩しやすい 平気
食後の眠気・倦怠 ある ない
便 通 ウサギのふん状または軟便・下痢 太くて硬い便
便秘のとき 平気 不快になる
腹部の所見   虚 証 実 証
肋骨弓 鋭角 鈍角
腹 力 腹壁が薄く弾力がない 腹壁が厚く弾力がある
胸脇苦満 弱い 強い
胃部振水音 ある ない
腹部動悸 ある ない

腹 診

腹診は、漢方独特の診察方法で、漢方薬の適応条件を探索する診察法です。

腹部には、体質を反映する所見があらわれるため、腹部の緊張の状態やどこに抵抗感等があるかを確認し、診断していきます。
診察台に手足を伸展して仰臥させ、全身を脱力させた状態で、医師の手掌を用いて触診します。
腹力(腹診した際の腹壁の緊張度)や胸脇苦満(腹部の膨満、腹鳴などを手で圧して診る)等の重要な症候をもとに、漢方薬の選択を行う指標とします。

腹証の鑑別

腹証の鑑別

処 方

身体的疲労が著明な場合

実 証

8 大柴胡湯(だいさいことう)

  • 「体力低下」ではなく「オーバーワークで過労」というタイプ
  • 強いストレスあるが精神神経症状は著明でない
  • 筋肉質でがっちりした体型
  • 耳鳴り、めまい、肩こり、高血圧、便秘、肝機能障害
  • メタボリックシンドローム
  • EDにも有効
  • 腹証は著明な胸脇苦満

虚 証‐1

41 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

  • 疲労と食欲不振で体力低下・全身倦怠というタイプ
  • 消耗性疾患・化学療法による体力低下、るいそう(栄養失調のような状態)
  • 肉体的な疲労 → 精神的な不調という方に
  • 内臓下垂、EDにも有効
  • 腹証は軽度の胸脇苦満
  • 「男性不妊症の定番」というべき方剤

虚 証‐2

48 十全大補湯 (じゅうぜんだいほとう)

  • 体力低下・全身倦怠がさらに増悪しているタイプ
  • 貧血、皮膚の乾燥を伴う
  • 補中益気湯が無効な例に

虚 証‐3

108 人参養栄湯(にんじんようえいとう)

  • 48十全大補湯と対象は似るが、さらに虚弱な例に
  • 咳嗽、健忘、動悸、不眠、不安が加わる
  • 体力低下、性的意欲、精液所見の改善を目指す

精神的な疲労が著明な場合

実 証

12 柴胡加竜骨牡蠣湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)

  • オーバーワークによる強いストレスで、イライラ、不眠、動悸のあるタイプに
  • 筋肉質でがっちりした体型
  • 高血圧、慢性腎炎、E.D.にも有効
  • 腹証は著明な胸脇苦満
  • 「漢方の精神安定剤」

虚 証

26 桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

  • 疲労と食欲不振で体力低下・全身倦怠というタイプ
  • 消耗性疾患・化学療法による体力低下、るいそう(栄養失調のような状態)
  • 肉体的な疲労 → 精神的な不調という方に
  • 内臓下垂、EDにも有効
  • 腹証は軽度の胸脇苦満
  • 「男性不妊症の定番」というべき方剤

年齢的な衰えが主因の場合

腎虚(じんきょ)

漢方でいう「腎」とは、生命力・活力を貯蔵する場所とされ、その衰えは現代医学的には加齢現象と理解させることもあります。「腎」には、発育を促進したり、生殖機能や若々しさを維持する生命エネルギーのもととなる「精(せい)」が蓄えられていますが、それが不足すると「腎虚(じんきょ)」という状態となり、不妊の原因となります。
端的には「老化」のことです。

腎虚を補う補腎剤‐1

7八味地黄丸(はちみじおうがん)

  • 「腎虚」の症状に対して用いられる代表的処方
  • 体を温める生薬をメインに、8種類の生薬で構成
  • 『ハルンケア』として処方することは多い

腎虚を補う補腎剤‐2

107牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

  • 八味地黄丸に牛膝と車前子を加えたもの全体に衰えが進んだ例に

慢性前立腺炎に対する漢方治療

慢性前立腺炎

114 柴苓湯(さいれいとう)

  • 小柴胡湯と五苓散の合方(消炎と利尿)
  • 膿精液、前立腺液圧出にて膿尿が認められる方に処方します
  • 抗生剤と併用します
  • 消炎作用により精子奇形率の改善も期待します
  • 柴胡のステロイド様作用により、自己免疫性の抗精子抗体のコントロールにも有用と考えています

25 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん))

  • 精液、前立腺液に膿性変化なく、炎症が軽い方に処方します
  • 運動不足、座りすぎによる骨盤内うっ血が主因と考えられます

精索静脈瘤に対する漢方治療

慢性前立腺炎

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

  • 精索静脈瘤を瘀血とみなして用いるグレードにかかわらず第一選択となります。原則的として、サプリメントも併用します

桃核承気湯(とうかくじょうきとう) 

  • 上記による治療効果(精液所見の改善)が乏しい場合に処方します

PAGE TOP