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男性不妊検査について

男性不妊の現状 ~不妊原因の半分は男性に~

日本産科婦人科学会では、「不妊症」を次のように定義しています。

定期的に夫婦の営みがあり、避妊をしていないが、1年以上妊娠をしていない。

現在の日本においては、不妊の検査や治療を受けた夫婦は6組に1組に上り、より高度な不妊治療である体外受精の件数は2013年には、378,764件と年率20%ペースで急激に増加し、世界最多の水準になっています。 不妊というと、女性の問題であると思われがちですが、約半数は男性側に原因があるといわれています。
下の表は日本産婦人科学会が発表したものです。当時は、男性不妊の認知も低く、精液検査を受けるケース があまり多くありませんでした。現在は当時よりも精液検査を受ける率は高まっており、男性側の不妊原因 は6割に達するとも言われています。

WHO(世界保健機関)の報告によると、男性側に原因がある男性不妊が増加傾向にあると言われています。 20年前と比べて、精子の運動率は80%から50%にまで低下しています。また、近年の食生活や生活環境の変化、ストレスや環境ホルモン、活性酸素など様々な要因から、成人男性の精子数が減少しているという研究結果が発表されています。元気な正常精子を造れない男性は確実に増えていて、男性不妊は一般的な問題となりつつあります。

男性不妊の原因について

男女ともに不妊の原因は数百あると言われていますが、不妊原因の多くが解明しており治療可能な女性不妊と違って、男性不妊の要因はほとんど解明されていないのが現状です。

男性不妊の原因  
無精子症
(むせいししょう :Azoospermia)
無精子症とは、精液中に精子が確認できない状態です。造精機能障害の中でも最も重症の男性不妊症になります。無精子症は、大きく2つに分類されます。精子は作られているが精子の通り道に問題が生じている「閉塞性無精子症」と、精巣そのものに精子を作る機能がないか著しく機能低下が生じている「非閉塞性無精子症」に分類されます。 一般的には100人に1人くらいの割合で無精子症の方がいると言われています。精子検査、血液(ホルモン検査)、精巣の超音波検査、染色体検査等を経て、手術による精子の採取を行います。
乏精子症
(ぼうせいししょう :Oligozoospermia)
乏精子症とは、精液の中に精子が少ないという症状を言います。具体的には1mlあたりの精子数が1500万匹以下の状態を言います。当クリニックでは、自然妊娠を望む場合の水準を5000万匹/mlとしており、軽症なものは生活習慣の改善、より症状の重いものは薬物療法等による治療で改善を図ります。
精子無力症
(せいしむりょく しょう:Asthenozo ospermia)
精子の無力症とは、動いている精子が少ない症状を言います。具体的には、運動している精子が40%未満の状態で精子無力症と診断されます。当クリニックでは、男性不妊を専門とする医師が、精子の動画を確認し、その中でも素早い前進運動を行う精子の比率などを判断し、診断を行っています。
精索静脈瘤
(せいさくじょう みゃくりゅう :Varicocele)
精索静脈瘤とは、睾丸(精巣)周辺の血液がスムーズに流れることができなくなるもので、これにより睾丸の温度は上昇し、精子の状態に悪影響を与えます。精子をつくる環境は体温より低い33~35度程度が理想と言われていますが、精索静脈瘤があると、陰嚢があたためられ、精巣の発育不全などを発症し、精子形成に悪影響を与えます。精索静脈瘤は、男性不妊の代表的な原因で、男性不妊患者の約4割を占めると言われています。治療は、程度によって漢方薬などによる薬物療法から外科的手術などの方法があり、これらの治療により改善するケースが多くみられます。
閉塞性無精子症
(へいそくせいむせいしょしょう :Obstructive azoospermia)
閉塞性無精子症とは、精子は形成されるが、精管の癒着等による物理的閉塞により精液との合流ができない状態をいいます。閉塞性無精子症の場合、TESE(精巣内精子回収法)という、精巣を切開し精子を採取する手術法で当該手術により、ほぼ確実に精子を採取できます。なお、状況によっては、閉塞箇所を再吻合する精路再建手術を行うこともあります。
非閉塞性無精子症
(へいそくせいむせいしょしょう :Non obstructive azospermia)
非閉塞性無精子症とは、精巣そのものに精子を作る機能がない、もしくは機能が著しく低下している状態です。多くの場合は、原因不明ですが、無精子症患者の内、8~15%程度の頻度で染色体異常が認められます。最も頻度の高いものがクラインフェルター症候群(通常よりX染色体が1本多いことで生じる)です。 非閉塞性無精子症の場合は、精子が存在する場所が限られているため、MD-TESE(顕微鏡下精巣内精子回収法)という、手術用顕微鏡を用いて精巣から精子を採取する手術を行います。30~40%程度の割合で精子の採取ができます。
先天性精管欠損
(せんてんせいせいかんけっそん)
先天性精管欠損とは、生まれつき精管がなく、精子が精巣内に閉じこめられたままの状態をいいます。
膿精液症
(のうせいえきしょう :Pyospermia)
膿精液症とは、精嚢や前立腺等の炎症により、精液1ml内に10万以上の白血球が混ざっている状態を言います。
血精液症
(けつせいえきしょう :Hemospermia)
血精液症とは、精液に、精のうまたは前立腺等からの血液が混入している状態を言います。
無精液症
(むせいえきしょう :Aspermia)
無精液症とは、射精しても精液が出ない症状です。射精後に、膀胱側に精液が流れる逆行性射精なども考えられます。
逆行性射精
(ぎゃっこうせいしゃせい :Retrograde ejaculation)
逆行性射精とは、正常であれば、射精するときに閉じるはずの、内尿道口付近の尿道括約筋が開いたままになり、精液が膀胱に逆流する状態を言います。射精後に排尿して、その尿中に精子が認められれば、逆行性射精の診断を行います。
勃起不全(ぼっきふぜん:Erectile dysfunction) 勃起不全とは、「性交時に有効な勃起が得られないために満足な性交が行えない状態であり、通常性交のチャンスの75%以上で性交が行えない状態」と定義されています。わが国のED患者は1100万人以上と言われており、決して特殊な病気ではありません。性交に至ることができない方、中折れ気味の状態が多くなった方、勃起硬度が弱くなったと感じる方が勃起不全治療薬などで治療されています。
射精障害(しゃせい しょうがい :Ejaculatory dysfunction) 射精障害とは、性機能障害 のうち、勃起には大きな問題は見られないが、正常な射精を行えない状態を言います。早漏、遅漏、膣内射精障害に分類されます。
早漏は、射精が性交時の膣挿入前または挿入後1分以内に起こることを特徴とする男性の性機能不全をいい、膣挿入で射精を遅らせることができないこと、欲求不満などの負の影響をもたらすものをそれぞれ満たす場合と定義されています。
遅漏は性欲と勃起には問題がありませんが、持続的に射精が難しい状態をいいます。膣内射精障害はマスターベーションでは射精できますが、女性との性交時には射精できないことをいいます。
早漏の場合はお互いの欲求の面では問題がありますが、膣内射精ができれば不妊への影響は少ないと言えます。ただし、早漏でも膣内挿入の前に射精してしまう場合、遅漏や膣内射精障害の場合には不妊の原因となります。

男性不妊検査の意義

男性不妊症(男性側に原因のある不妊)の検査は、まず精液検査を行います。射精した精液中の精子濃度、精子の最も特徴的な機能である運動性、精子の形態を観察し、運動精子濃度(精子濃度X運動率)、精子頭部形態の正常率が精液の正常性、ひいてはパートナーが妊娠する可能性の指標とされてきました。近年、多様な精子機能検査法が開発され、ヒト精子の機能異常を細かく観察することができるようになりました。さらに、熟練した泌尿器科医によるホルモン検査、精巣、精巣上体、前立腺等の性腺検査、さらには社会的ストレス、生活習慣等を総合的に観察することにより、男性性機能、男性不妊の詳細な原因検索が可能となりつつあります。
心理的なストレスやプライドから検査に消極的な男性もおられますが、女性の不妊検査に比べると、簡単で痛みを伴う検査もありません。
近年の生活環境の変化等、外的要因による精子の減少に加え、個人差はありますが、加齢によるDNAの損傷も確実に進んでくることが最近の研究で明らかになってきています。
思い立った時に精子を調べ、その時点における自分の精子の状態について把握し、今後の計画を考えることは、子孫を後世に残していく上で、現代人にとっては非常に有意義なことだと考えます。

エス・セットクリニックの男性不妊検査

エス・セットクリニックでは、精液自体の検査を行う【基本精子検査】と、精巣などの超音波検査・血液検査・尿検査等を行い精液以外の要素について検査を行う【男性不妊一般検査】のセット検査である、【男性不妊初診セット】 の検査結果をもとに、治療可能な男性不妊要因を精査します。

基本精子検査

2~7日の禁欲期間をおいて採取された源精液について検査を行います。

精液量、精子濃度、運動率、正常形態率を精子検査に熟練した臨床検査技師が測定します。

結果は、測定数値、精子画像、精子運動の動画を用いて説明します。

男性不妊一般検査

問診、血液検査、尿検査、視診・触診・超音波(エコー)検査により、精液以外の観点から男性不妊要因の有無を検査します。

検査の流れ

1. 基本精子検査及び男性不妊一般検査

問 診(⇒ 男性不妊一般検査 及び 事前に医師に相談したい場合のみ)
検査キット~ご自宅にて検体採取
記入いただいた問診票に基づき、男性不妊専門医が現在の症状の確認及び検査の説明を行います。
視診・触診・超音波(エコー)検査 (⇒ 男性不妊一般検査)
精巣、精巣上体、精管、前立腺等の検査を行います。特に男性不妊の方の約4割にある原因といわれる精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)の有無を精査します。
採 尿(⇒ 男性不妊一般検査)
精子に悪影響を及ぼす炎症の有無を検査するため、尿を採取。
採 精(⇒ 精子検査)

二重防音の清潔に管理された採精室にて採精。

採 血(⇒ 男性不妊一般検査)

精子形成に関連するホルモン6種検査のため、血液を採取。

ポイント!

  • 精子検査では、精子の状態を染色した精子画像で、正確な正常形態をチェックします。動画で精子運動性のご確認を頂けます。
  • 精子の拡大画像と動画データはお持ち帰りになれます。
  • 男性不妊一般検査では、男性不妊患者の約4割(当院検査でも約45%)に認められる精索静脈瘤の有無を医師が触診と超音波で確認します。
  • 精索静脈瘤は、医師の触診により、グレードⅠ~Ⅲ(軽度~重症)の重症度判定を慎重に行います。超音波検査の結果やご夫婦の年齢等も考慮し、手術を含めた最適な治療法をお勧めします。

↓

2.治療方法の検討

検体を投函

ポイント!

まずは出来るだけ自然な妊娠を目指します。

↓

3.治 療(主に精液所見の改善を目指します)

検体検査
  • 生活指導・食事指導・運動指導
  • 造精機能障害による乏精子症・精子無力症の治療
  • 慢性前立腺炎による精子通過障害と精子機能障害の治療
  • 閉塞性無精子症の治療
  • 精索静脈瘤の治療
  • 勃起障害の治療
  • 射精障害(膣内射精障害、逆行性射精、早漏)の治療

2~3ヶ月の投薬期間を経て再来院
検 査
(精子検査、ホルモン検査)にて、主に精子運動率及び精子濃度の改善率の評価をし、必要に応じて治療方針を見直します。

↓

4.受精率・妊娠率の向上

受精率・妊娠率の向上

費 用

初診時費用

初診時: 男性不妊初診検査
(基本精子検査+男性不妊一般検査)

43,200円(税込)

男性不妊初診時のみの特別セット価格になります。

2回目: 診察+処方など

7,000〜18,000円(税抜)程度が目安

初診時 検査費用

基本精子検査のみ

21,600円(税込)

男性不妊一般検査のみ

32,400円(税込)

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