体外受精等の成功率を高めたい
目次
良好精子の選別
高精度精子検査Aコース、高精度精子検査Bコースでは、源精液と選別精子の2つのグループに対して検査を実施します。 精子の選別とは、当院独自の技術により、可能な限り良好精子を選り分けることをいいます(※)。 この選別された精子を人工授精、体外受精、顕微授精等に用いることにより、妊娠率の上昇、流産率の低下に貢献します。
※源精液に対する選別精子の割合、選別精子が選り分けられる程度については個人差があります。
高精度精子検査の対象者
高精度精子検査Aコース | 高精度精子検査Bコース | |
料金 | 55,000円(税込み) | 165,000円(税込み) |
対象者 | ・「選別精子(良好精子)がどのくらいの量採れるのか」を知りたい人・ご自身の精子のエリート集団がどの程度の質を保持しているのかを知りたい方・これから人工授精を検討している人 | ・「選別精子(良好精子)がどのくらい採れるのか」のみならず、DNA構造異常、先体局在、ミトコンドリア局在、耐凍性など、すべての検査指標について、状態を把握したい人・選別精子のバンキング(冷凍保管)を検討している人・体外受精にステップアップをする前に、現状の精子の質で成功する可能性がどの程度あるのかを見極めたい人・体外受精等の生殖補助医療で、望んだ結果が出ていない人 |
高精度精子検査Aコース
この検査でわかること
源精液と選別後精子について、精液量、精子濃度、総精子数、運動率、精子形態、頭部空砲の有無を調べます。また、精液に炎症性の変化がないかも確かめます。
源精液と選別後精子で高精度画像と動画比較試験を行うことにより、ご自身の良好精子数やその状態がわかります。精子数が極端に少なく治療をあきらめようと思っていた方でも、選別してみると良好精子が意外と多いことがよくあります。選別後の精子数やその状態を参考にして、ご自身の状況に応じた治療計画に最短でたどり着くことができます。
検査を受ける際の留意点
原則的に2~5日の禁欲期間をおいて精液検査を行います。当院では、鍵のかかる、毎回アルコール殺菌で清潔に管理された採精室で精液を採取していただきます。
高精度精子検査Bコース
この検査でわかること
高精度精子検査Aコースの検査項目に加え、最高精度の4検査(DNA構造異常、先体局在、ミトコンドリア局在、耐凍性)を含めた、当クリニックの全検査を行うコースです。
この検査の目的は、選別後の精子を最新の技術でより詳細に精査をし、体外受精等に使用するに値する選別された高品質な良好精子がどの程度の量確保できるかを確認することです。
高精度精子検査Aコースと同様に、源精液と選別後精液で高精度画像と動画比較試験を行うことにより、良好精子数やその状態がわかります。また実際に選別した精子について、DNA構造異常、先体局在、ミトコンドリア局在、耐凍性などのより厳密な検査を行います。
最終的な良好精子数が少ない場合には、数回分の精液を貯蓄して(良好精子のバンキング)、体外受精や顕微授精に使用することもできます。
ご希望により、レディースクリニック(産婦人科)と密に連携を取りながら、妊娠の可能性と安全性の両面を高めるサポートを行っています。提携病院(首都圏で多数)、協力病院(多数)もございますので、ご相談ください。
検査を受ける際の留意点
原則的に2~5日の禁欲期間をおいて精液検査を行います。当院では、鍵のかかる、毎回アルコール殺菌で清潔に管理された採精室で精液を採取していただきます。また、ご自宅等で採取したものをご持参いただくこともできます(採取後1時間以内の持参)。
高精度精子検査Aコースの結果に加えて、以下の4項目の結果が追加で示されます。
精子のDNAの損傷の程度
射精した源精液には、個人差はありますが、通常は、DNAが壊れた精子(DNA損傷精子)が混在しているのが普通です。
良好精子の選別作業をご自身の精子の状態に合わせて行いますが、最終的に体外受精に使用できる精子かどうか、単一ヒト細胞(精子一匹)に由来するDNA fiberを断片化する高度な技術を使用し、精査します。選別後精子で、DNA2重鎖切断陰性率60~90%が目安になります。
体外受精を検討する際には、この作業を経て品質管理された無菌かつDNA損傷の少ない良好精子を使用することにより、流産等の様々なリスクを低減させることに寄与できると考えます。
頭部形態及び先体反応誘起率
頭部の形態と精子が卵子に突入する際に必要な先体反応誘起率を確認します。
精子は卵子に突入する際、精子の先体部分から酵素を放出することにより、卵細胞膜を破り受精に至ります。この卵子の膜を溶かすための酵素を放出する能力の十分性を確認します。
ミトコンドリア蛍光を指標とした精子中片部(首の部分)の状態確認
精子中片(首の部分)には運動エネルギーを供給するミトコンドリアがあります。このミトコンドリアに蛍光物質を取り込ませ、緑色蛍光検査によりミトコンドリアのエネルギー生産能と中片の形状を観察します。未成熟な精子はこの中片部の形状が成熟精子と異なる場合が多く、精子成熟性の検査としても有用です。この検査により、精子の中片部の形態を詳しく観察することができます。非運動精子には蛍光物質が取り込まれないため、精子の運動能があることを画像上で確認できます。
耐凍性、すなわち凍結保存をした精子が、融解時にどの程度再び動き出すかの確認
凍結精子を融解した際、再び動き出す精子の割合は個人差があります。これを耐凍性といいます。耐凍性がある場合、精子を凍結保存(バンキング)しておくことができます。バンキングすることにより良好精子の量の確保、フレッシュで生殖補助医療を行う場合のように当日の体調に左右されない安定性の確保ができます。
・(Aコースと同様)極力、良好精子のみを選り分けた選別後精子がどのくらい存在するのかが分かります。
上記の所見を総合的に勘案し、適合する生殖補助医療(人工授精、体外受精、顕微授精)を判断します。
『精子の質の低下』を高品質な精子を選別する技術で補う
“良好精子バンキングサービス”