不妊の原因は男女両方にある。日本では、女性の不妊研究は沢山されてきましたが、男性の不妊について研究する医師が少なかったため、「不妊治療」=女性がするもの。と思っている方もまだまだ多くいます。
今回は、不妊の原因は「女性だけではない」という事について知っていただこうと思います。
目次
不妊の定義とは
1年間をひとつの区切りとしましょう
「妊娠をのぞむ健康な男女が、避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しない場合」が不妊ということになっています。 通常のクリニックや病院では、この一定期間を1年としています。
1年間、子供が欲しいと思って、夫婦生活をしても、子供ができない場合は、不妊と定義されます。
以前は一定期間を2年としていました。しかし、平成25年~26年にかけて日本産科婦人科学会によって一定期間が1年と変更になりました。
赤ちゃんがほしくて1年間性行為をしても授からない場合、「不妊」を疑ってみる必要があります。
不妊の原因は男女にある
不妊と聞くと、女性にだけ原因があるように思いますが、それは違います。不妊の原因は男性と女性の半分ずつあります。原因の組み合わせは以下の通りです。
・男性にある場合
・女性にある場合
・男女両方にある場合
・不明な場合
どこに原因があるのか?については夫婦によって違います。
WHO(世界保健機関)の不妊原因調査によると、約41%が女性のみ、約24%が男性のみ、男性女性ともに不妊原因がある場合は約24%、原因不明が約11%となっています。そのため、不妊症の検査は、夫婦で受けるようにしましょう。
不妊症の原因は、年齢や精子の質、膣の状態、排卵、タイミング、ストレス・・・と様々な原因が複雑に絡まっています。赤ちゃんがほしい!!という方は不妊治療にも早めに取り組む必要があるといえます。
女性側の不妊原因とは
女性不妊の原因は様々あります
女性の不妊の原因には、様々な原因があります。 月経周期がきちんとしているか? 卵胞が育っているか?
排卵がきちんと起こっているか? 子宮に病気がないか? 年齢に問題がないか?
どこかに問題がある場合、妊娠しない・・という事が起こります。

不妊治療をする場合、どの場所が原因になっているのか?について調べていきます。
タイミング療法から、ステップアップして治療をしていくのは、どこに原因があるのか?について調べていくためです。
しかし、不妊の原因は、男女ともにあり、男性も女性も検査や治療を重ねても、「原因が分からない・・・」という事もあります。
男性側の不妊原因とは
男性の不妊原因も様々あります。原因は、場所によって様々で、精子を作る場所に問題がある場合、精子が通過する通路に問題がある場合、機能に問題がある場合などで、治療方法が異なります。

男性不妊で特に、多いのが以下の原因です。
「乏精子症」・・・精液中の精子濃度が低い状態。
「無精子症」・・・精子の通り道がふさがっている or 精子がほとんど作られていない
「精子無力症」・・・精子の運動率が低い状態
「勃起障害(ED)」・・・勃起しない状態
「精索静脈瘤」・・・精巣から心臓にもどる静脈内の血液が逆流、静脈にこぶができてしまう。
などが大きな原因となっています。その他にも、膣内で射精できないなど精神的なものもあります。
あなたの精子は大丈夫ですか?
男性は35歳をすぎると精子の数が少なくなります。男性も年齢によって、精子の質が低下していきます。一般的には、35歳を過ぎると精子の運動率が低下し、精子の奇形率が高いなどの症状が出やすくなってきます。
1回の射精で放出される精子の数は約1億~4億個です。その中で卵子と結合できるのは、「たったひとつの精子」です。エリート中のエリートといえるかもしれません。
その精子の質が悪い場合、人工授精や顕微受精がうまくいく可能性が低くなってしまいます。
不妊治療をする場合は、必ず男性側の精子の質についてもきちんと検査するようにしましょう。