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射精した精液のなかに、まったく精子がいない場合、「無精子症」と言われます。 かなりショッキングな名前ですが、その名前の通り、射精した精液の中に、精子がいない症状のことです。
近年増加傾向にあり、100人に1人は無精子症であるといわれています。
無精子症の原因には、「ホルモンの異常」「造精機能障害」と「精路通過障害」「そけいヘルニア手術の後遺症」があります。どれも、検査をすると「精子がない」という結果になります。
精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)のように、見た目でわかる症状ではないので、気になる方は、精子の検査が必要となります。
「無精子症」には、閉塞性と非閉塞性の2通りがあります 。
閉塞性無精子症 | 非閉塞性無精子症 | |
症状 | 精子は作れている。精管が閉塞している。 | 精子が作れていない |
睾丸 | 大きさ、硬さは正常 | 大きさが縮小・やわらかい |
精巣上体 | 腫大あり | 膨大なし |
FSHホルモン | 正常 | 10以上 |
「非閉塞性(ひへいそくせい)」 の場合、造精機能に障害がある可能性があります。精巣を切り開いてみても精子が全然みつからない、もしくは未熟な精子や尻尾がなくて動けない精子しかいません。
「閉塞性」の場合、精路通過障害の可能性があります。睾丸にメスを入れて、探せばかろうじて精子がみつかる場合があります。
無精子症だと精子がいないのだから、色やにおいなどにちがいがあるのでは、とおもう方もいるようですが、通常の精液と無精子症の精液では、見た目ではあまり差がありませんので、目で見て確認してもわからない事が多く、検査してはじめてわかる場合がほとんどです。
射精した精液に、精子がみつからなかった場合、期間をおいて精子検査を再検査します。
再検査でも精子が見つからない場合、ホルモン検査を行い、睾丸に指令をだし、精子の形成を促すホルモンであるFSH(Follicle Stimulating Hormone:卵胞刺激ホルモン)の数値や睾丸の大きさを超音波で調べ、閉塞性無精子症か非閉塞性無精子症かどうかについて見極めることになります。
よくあることが、一回の精子検査で「無精子症」ときめつけてしまうことです。
しばらく期間をおいて、禁欲期間(きんよくきかん)を長めにとって調べることで、わずかながら精子がみつかることもあるのです。
無精子症は射精した精液に精子がいないため、自然妊娠をすることはほぼ不可能だといえます。
ただ、いくつかの無精子症の場合には、妊娠の可能性があります。
閉塞性無精子症の方のなかには、精巣や精巣上体の状態が正常で精子がきちんと作られている場合があります。
その場合には、精巣から直接採取することで、多くのケースで「精子」自体は見つかることが多いです。
閉塞性無精子症は、精子の通り道が過去の性感染症で障害されたり、子供の時に鼠径ヘルニアの手術を受けたことなどが原因のことがあります。
精子には「精巣輸出管」、「精巣上体管」、「精管」、「射精管」といった通り道があり、ここがなんらかの理由で感染してしまうと、「閉塞性無精子症」になってしまうことがあります。
自然妊娠を希望するなら、「精路再建手術」という方法があります。この場合には、女性側に問題がないことが前提になります。
女性側にも問題がある場合には、精巣や精巣上体の精子を採取して顕微授精をすることが現実的な方法になります。
MESA(精巣上体精子回収法)やTESE(精巣内精子回収法)を行い、精子を回収し、レディースクリニックで顕微授精(ICSI)をおこないます。
MESAは、精巣をおおう「陰嚢」にメスを入れて、精巣と精管の間にある精巣上体という部位にガラス製のピペットを刺して、精子を採取します。
精巣から採取するMicro-TESEと比べて、良質な精子を多量に得ることができます。
非閉塞性無精子症(NOA)の場合、精管に閉塞がなく、射精した精液に、精子がまったく見られない状態をいいます。
ホルモン異常が原因の場合には、ホルモン剤をある一定期間投与することで、精子が精液中に出現することがあります。
また、重度の精索静脈瘤がある場合には、精索静脈瘤の手術を行うことでわずかな精子が出現したり、そのあとに行うTESEの成功率が向上するという報告もあるため、手術を行うかどうかも慎重に判断することになります。
TESEやmicro-TESE(顕微鏡下精巣内精子回収法)をおこなうさい、精巣内で、わずかに精子がいる場合(成熟停止)と、まったくいない場合(セルトリ細胞単独症)の2種類があります。
精巣を切り開き、精子がいそうな(太く白濁している)精細管を探して摘み取って、その中から精子(精子細胞)を探し出します
取り出した精子は、酸化ストレスを最小限におさえて速やかに凍結保管をします。
せっかくとった精子が酸素にさらされて弱ってしまうと元も子もないので、精子の凍結保管技術があるTESE手術をおこなう機関を選ぶことが重要です。
繰り返しになりますが、無精子症と決めつける前に、必ず精液検査は複数回うけるようにしましょう。