不妊の原因は、様々な原因があります。なかなか妊娠しない場合、不妊原因は女性側にあると思われがちですが、実は約半数は男性側の問題があるのです。
長らく不妊治療は女性側の研究が中心に行われており、男性側の研究は積極的に行われなかったため、男性不妊を専門にする泌尿器科医師の数が少ない・・・というのが、日本のみならず、世界中で問題になっています。
なぜこのような現状になったのかを説明します。
目次
専門家が少ない理由とは
産婦人科主導で不妊治療を行うことが一般的だった
『赤ちゃんが欲しい』という切実な思いを持つのは女性が多いことや、子供ができないのは女性の方に問題があると思われがちだったことから、不妊治療は、長年産婦人科が中心となって、女性側の不妊要因の研究が進められてきました。
そのため、女性側の不妊要因ばかりクローズアップされるため、男性側の不妊要因が注目をされることがありませんでした。
その結果、日本では、今でも産婦人科の不妊専門医は多いのにも関わらず、精子等の男性サイドの不妊研究を行う泌尿器科医師は極めて少ない状況にあり、その数は約100名前後と言われています。

男性側の不妊を研究するのは、主に泌尿器の医師になります。
泌尿器科の医師は、泌尿器系の癌治療や腎移植や腎不全等の領域をメインに活躍する医師や研究者が多く、不妊を専門にしようとする医師がなかなか育たない背景があります。
また実際のところ、「不妊は産婦人科が任せておくのがいいだろう」
という大学病院や総合病院がほとんどであり、男性不妊を標榜していない大病院はいまだに多いのです。つまるところ、泌尿器科医が不妊の患者を診る環境が、物理的にもほとんどないに等しいため、若くて優秀な泌尿器科医師が、男性不妊を勉強して、専門にしようとは思わないという悪循環から、専門医が増えていかない傾向があります。
男性不妊の専門家が少ない まとめ
男性不妊の専門家が少ないことについて説明しました。
日本では、不妊を専門とする産婦人科の医師の数は多いのですが、不妊を専門とする泌尿器科の医師の数は不足している状態です。そのため、不妊の悩みを持った大体のカップルは、奥さんの通う産婦人科に男性も行かざるを得ないのが現状です。
本来、不妊の原因は男性と女性の両方にあるので、不妊治療をするには、男性と女性両方を同時に診察するのが良いと言えます。また、婦人科医に泌尿器科的な男性不妊診療をしてもらうのではなく、泌尿器科医に診てもらうことがさらに理想的だと思います。
不妊治療は夫婦で協力して取り組むものです。ぜひ、男性の原因と、女性の原因、両方を知っていただき、自分たちに合った不妊治療を受けるようにしてみましょう。