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精索静脈瘤の治療

精索静脈瘤とは

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう、Varicocele)は、男性不妊患者の約4割に認められるともいわれ、男性不妊の原因の代表的なものの一つです。当クリニックで男性不妊一般検査を受診した方でも45%に精索静脈瘤が確認されています。
これは、簡単にいうと睾丸(精巣)周辺の血液がスムーズに流れることができなくなるもので、これにより睾丸の温度は上昇し、精子の状態に悪影響を与えます。
治療は、程度によって漢方薬などによる薬物療法から外科的手術などの方法があり、これらの治療により改善するケースが多くみられます。

症 状

精索静脈瘤は、程度によってグレード1~3に分類されます。また、触診ではわからず、超音波(エコー)検査で発覚する精索静脈瘤を、サブクリニカルな精索静脈瘤といいます。
症状としては、多くの場合が無自覚ですが、程度が重くなると陰のう部に不快感や痛みを感じることがあります。
また、目で見える症状としては、陰のう上部にある蔓状静脈叢がうっ血してしまうことにより、陰のう表面にこぶ(瘤)状に静脈がみえることがあります。精巣の静脈は左右で違いがあり、通常左側にみられることが多いとされています。

原 因

動脈は心臓から出ていく血管のことで、静脈は心臓へ戻る血管のことです。
動脈は、心臓から出てきた血液が勢いよく流れていきますが、静脈は心臓に戻る血液の通り道であるため、血液の圧力が低く逆流を起こしやすいという性質があります。そのため、静脈には逆流を防ぐための弁がついているのですが、その弁に不具合が生じてしまったとき、血液の逆流が生じてしまいます。そうすると、陰のう上部がうっ血し、こぶ(瘤)状の腫れなどの症状が生じることになります。

男性不妊との関連

程度の軽い精索静脈瘤であれば、痛みや違和感を自覚することもないため、日常生活を送る上では何らの問題もないといえます。しかし、精子に対しては悪影響を与えていることが多くの臨床データより明らかになっています。

精索静脈瘤がある場合、本来血液が流れるべき方向へスムーズに流れておらず、逆流している状態です。したがって、血液が停滞し、その結果として精巣の温度が上がってしまいます。
精子にとっての適温は32~35度程度といわれており、そのために精巣は人間の体の内部(平熱は37度以上)ではなく、外側に位置しており、また、陰のうの表皮の伸び縮みにより温度調節ができるようになっているのです。

しかし、精索静脈瘤がある場合、血流が滞ることにより精巣の温度が上昇し、精子にとっての適温である32~35度程度の範囲を大きく超えてしまいます。この場合、いわば常に精巣を温めているような状態であり、精巣機能を著しく低下させてしまいます。

また近年、精索静脈瘤の有無とテストステロン(男性ホルモン)に相関があるとの研究報告もなされています。

検査及び診断方法

精索静脈瘤の検査及び診断は、以下の方法により行います。

視 診

:陰のう上部にこぶ(瘤)状の腫れがないかを観察します

触 診

:立位で腹圧がかかるようにして頂き、陰のう上部の静脈の逆流が起こって腫れたり、うっ血したりしていないか、また、押さえた際に痛みがないかを確認します。静脈瘤は、その程度により、グレード1~3までに分類されます。

超音波(エコー)検査

:精巣の大きさや血液の逆流の有無を確認します。

検査費用

初診時:男性不妊初診検査
(基本精子検査+男性不妊一般検査)

43,200円(税込)

※男性不妊初診時のみの特別セット価格になります。

男性不妊一般検査のみ
(視診・触診・超音波検査により精索静脈瘤の有無を検査する他、尿検査及び血液検査により異常の有無を検査します。精子検査は含まれません。)

32,400円(税込)

治療方法

大きく分けて、薬物療法と手術の2つの手段があります。

軽度(グレード1~2)の精索静脈瘤の場合、漢方薬(桂枝茯苓丸)やサプリメントを服用することにより精液所見が改善することがあります。

薬物療法

  • ツムラ25番 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
    精索静脈瘤を瘀血とみなして用いるグレードにかかわらず第一選択の薬剤です。
  • ツムラ61 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
    桂枝茯苓丸による治療効果(精液所見の改善)が乏しい場合に使用します。

上記と併用して、コエンザイムQ10等のサプリメントを補助的に併用します。
漢方薬やサプリメントの服用により精液所見が改善しない場合や、重度(グレード3)の精索静脈瘤の場合、手術による治療を行います。ただし配偶者の年齢(40代前半)により、術後効果が表れるまでの時間を待てない場合には、漢方薬とサプリメントの服用をしながら、選別した精子を用いたARTを実施するケースが現実的な選択となります。

手 術

術式により異なりますが、日帰り手術と2~3日、腹腔鏡手術では約一週間程度の入院による手術などがあります。

精索静脈瘤高位結紮術

:へそ脇あたりの腹部の切開で、腎臓に近いほうの精巣静脈を縛る方法です。半身麻酔か全身麻酔・2泊3日程度。

精索静脈瘤低位結紮術

:そけい部(足の付け根のあたり)の小切開で精巣に近い方の静脈を縛る方法です。局所麻酔(施設によっては全身麻酔)・日帰り手術。

腹腔鏡下精索静脈瘤手術

:腹腔鏡を使って、腹部またはそけい部の精巣静脈を縛る方法。全身麻酔・入院1週間めど。

当クリニックの精索静脈瘤手術について

当クリニックの精索静脈瘤手術は、以下の4つの特徴があります。

特徴1)傷口が小さくて済む「低位結紮術」という術式を用います

精索静脈瘤手術の術式は複数存在しますが、当クリニックでは「顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術(けんびきょうかせいさくじょうみゃくりゅうていいけっさつじゅつ)」という術式を用います。この術式は、手術による傷口が小さくて済みます。また当クリニックでは局所麻酔を使用します。そのため、回復も早く体への負担を軽減することができます。
気になることがあればお気軽にご相談ください。

 

特徴2)手術は日帰り、土曜日に実施

当クリニックでの精索静脈瘤手術は、片側のみの場合、手術時間は1時間程度の日帰り手術となります。
土曜日に手術を行い、週明けの月曜日から仕事に復帰することが可能です。
手術の後は、通常通りの食事を召し上がっていただけます(当日の飲酒は控えていただきます)。

特徴3)手術経験が豊富な医師が手術を担当

エスセットクリニック医師

 

エス・セットクリニックでは経験豊富なドクターが手術を担当いたします。日本でも数の少ない男性不妊専門の医師が担当いたします。治療には医師との相性も大事なので、医師を選ぶことができるようになっています。

 

特徴4)最新の医療機器を用意しています

 

効果の高い手術を確実に行う為に、手術用顕微鏡や、血流の確認に用いる超音波血流計等、同手術においてはハイスペックともいえる、最新の医療機器を用意しております。

 

専用の手術用顕微鏡(カールツァイス)

繊細な手術のための専用顕微鏡を用いて手術を行います。非常に高価な機械ですが、現在では精索静脈瘤手術(顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術)を行うための標準設備と考えられています。

超音波ドップラー血流計(Hadeco)

精巣動脈を可能な限り温存し、安全な執刀をするために、手術には超音波ドップラー血流計を使用します。

新しい精索静脈瘤治療プロセスとは?

  • 精索静脈瘤の手術は、効果が現れるまで術後半年~1年程度の時間を要するため、早めの診察及び決断が大切な要素となります。
  • 術後再発例には、静脈塞栓術(放射線科で精巣静脈に塞栓物質(血管の中にコイルなどを)を詰める)という方法もあります。

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