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男性不妊治療ガイド Infertility Treatment Guide

2023.07.16

男性不妊のセルフチェック

自分が「不妊症なのでは…」と不安がある方でもいきなり病院に検査をしに行くことに抵抗がある方もいらっしゃると思います。

下記のセルフチェック項目にあてはまる方は男性不妊の可能性があります。

生活習慣

精子の検査はしたことがあっても精巣の検査はしたことがない、という方が多いと思いますが、精子が悪いといわれた方や、これから精子の検査を考えている方は、一緒に超音波検査もしておいた方がいいでしょう。

 

  1. 精子に悪い生活習慣

    精索静脈瘤は日常生活には大きな影響を与えないとされていますが、不妊には大きい影響を与えているとされていて、不妊に対する影響には以下のものなどがあるとされています。

    ✅サウナ等長時間睾丸をあたためてしまう
    サウナを控えめに。
    精巣を高温にさらすサウナは短時間に控えめに、をお勧めします。特に修行のように滝のような汗をかきながら入っている方がいますが、精巣のためにはお勧めできません。

    ✅長時間の座位

    デスクワークにはインターバルを入れましょう。
    長時間のデスクワーク(パソコン、ゲーム、インターネットなど)は
    ① 陰部を圧迫して生殖に関連する場所の血流を悪くする。
    ② 衣服と太ももに包まれて(密封されて)精巣周囲の温度が上昇する。
    の二点の問題が挙げられます。
    共通する対策としては、1-2時間ごとに席を離れる(インターバルを入れる)ことです。

    圧迫に対してはお尻にクッションを敷くこと。

    一方、温度に対しては席を離れた際にトイレに行って、陰茎や精巣を外気にさらしてcool down すること。またブリーフよりトランクスの方が風通しが良くなり、お勧めです。

    ✅喫煙

    禁煙をお勧めします。
    ① 血管の内皮(血管の内側の壁)が荒れて、血流を悪化させます。
    ② 結果として陰部を、酸欠状態にします。
    ③ 生殖に不利に働く鉛などの重金属の蓄積が進みます。
    結果として、精子濃度の減少、精巣サイズの縮小が起こります。急激な禁煙が難しければ、喫煙機会を決めて回数を減らす節煙から始めて下さい。

    無意識のうちに吸っているチェーンスモーキングはやめましょう。

    ✅大量飲酒、寝不足、ストレス
    禁酒する必要はありませんが、適度な飲酒(日本酒1合、ビール500ml、ワイン200ml程度)は男性ホルモン分泌は増加させ、リラックス効果がセックスに好影響をもたらします。

    しかし大量の飲酒は陰部の血管に悪影響を与え、勃起力を弱めます。男性ホルモンの分泌を低下させます。
    また長年の大酒は細胞を障害し精子生成にも不利に働きます。シルデナフィルの使用の時も大量飲酒した後は服用しないようにとされています。
    睡眠不足は男性ホルモンの分泌を低下させます。1日6-7時間は確保したいところです。

    ✅運動不足

    適度な運動は男性ホルモンの分泌を増やします。
    筋トレと有酸素運動の両方をお勧めしていますが、生殖臓器(精巣、前立腺、陰茎、など)の血流を豊富するという点で、有酸素運動をやや多めにとお勧めしています。

    適度の目安はジョギング1回20-30分、週2-3回。逆に過度の運動、アスリート的に追い込みすぎると、かえってストレスや疲労が増し逆効果です。

    ✅過度の肥満

    脂肪は男性ホルモンを分解してしまう。アディポネクチンが減る。

    BMI>25が危険水域

    精液量の減少、精子濃度の減少を招きます。

    ✅虫歯がある

    歯科の治療
    う歯(虫歯)、歯周病、歯槽膿漏、などは病巣に細菌が常在しており、それを唾液と共に

    飲みこんで体内に入ると、それが毒素を出して精子にダメージを与えるという説があります。歯科の治療後に精子所見が向上するというデータがあります。歯科の治療は必ず完了しておくことをお勧めします。

    胃に存在するピロリ菌の除去も同様です。

    ✅プロペシアを服用している

    フィナステリド(プロペシア)、(含むデュタステリド)養毛、育毛の薬として有名ですが、脱毛の原因となる男性ホルモンの作用をブロックする薬剤です。EDや不妊症の治療の期間は休止することをおすすめします。

    ✅運動不足

    適度な運動は男性ホルモンの分泌を増やします。

  2. 精子によい食生活

    食事・食材・栄養

    中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールが高い人はいわゆるヘルシーな食事を。一方、性ホルモンはコレステロールが原料となるためコレステロール値が低い人は脂質を制限しないで摂取することをお勧めします。


    推奨される栄養素としては

    オメガ3脂肪酸(青魚、ニシン、サケ)

    アリシン(玉ねぎ、ニンニク、ネギ、ニラ、生姜)

    ネバネバ食材(オクラ、山芋など)

    亜鉛(貝類《特に牡蠣》、カニ、うなぎ、牛肉、レバー、ソラマメ)、

    アルギニン(エビ、豚肉、タラ)

    ビタミンB類(緑黄野菜、レバー、イチゴ、牡蠣、シジミ、青魚)

    ビタミンC類(果物、アセロラ、ブロッコリー、ジャガイモ)

    ビタミンE

    β-カロテン

    リコピン

    以上、推奨されるもの、避ける方が良いものなど色々ありますが、和食メニューを選択すれば、おおむね上記を満たすと思われます。

精巣サイズチェック

左右に1個ずつ存在していて、長い部分の幅が3cm程度あれば正常で、幅が1㎝程度の場合には小さいとされます。

睾丸のサイズが小さい場合(うずらの卵大のサイズ)は男性不妊の可能性が高まります。

 

精索静脈瘤セルフチェック

痛みが少なく、自分では気がつきにくい精索静脈瘤ですが、セルフチェックをすることができます。

✅陰嚢サイズに左右差がある。(左が小さい)
✅陰嚢の表面にしわがより、でこぼこしているような感じがする。
✅長時間の座位又は立位を続けたあとに陰嚢にたまに痛みを感じる。
✅サ入浴時に睾丸の上にもう一つ睾丸があるような感覚がある
✅時々睾丸にギクッとした痛みがある
✅陰嚢の表面をさわるとぷよぷよとしたこぶのようなものを感じる(かなり重症の可能性があります)
✅精索静脈瘤がひどくなると、ミミズのようなものが陰嚢部分にみられるようになります。目でみてわかる場合は、かなり症状が進行している可能性があります。

上記にあてはまる場合は精索静脈瘤の検査をすることをおすすめします。
まだ検査を受けるかどうか決めきれないご夫婦へ

 

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