実効精子検査

対象:
●他院での精液検査で正常と言われたがなかなか妊娠しない方
●はじめから質の高い精子検査をうけておきたい方

7項目検査:基本項目(精液量・精子濃度・総精子数・運動率・正常形態率)、実効精子総精子数、実効精子運動率
動画:源精液、実効精子動画、無効精子動画(DNA損傷精子、老化精子等)

射精を待つ間に精子は劣化(老化)していき、細胞膜の損傷、DNAの損傷、運動性の喪失等が起こります。実は精液中の精子は、6割から8割はこうした無効精子なのです。この検査では、こうした受精に寄与しない無効精子群を排除し、あなたの精液から良好な精子群が得られるかを検査します。同時に、あなたの精液が射精を待つ間にどれくらい老化し、活性酸素などによってDNAが損傷して劣化しているかについての情報も得られます。

2~5日の禁欲期間(2、3日程度が理想です)をおいて精液検査を行います。院内の一番目立たない場所にあり、清潔に管理された採精室で精液を採取していただきます(毎回アルコール殺菌しています)。

正確な結果を出すには、採精後30分から1時間以内に検査する必要があります。精度の高い精液検査を目指す当院としては、院内での採精が基本となります。
※重要な検査項目である精子の運動率が参考値となってしまいますが、どうしても採精室での採精が難しい場合には、持ち込み検体の検査も行っています。


この検査でわかること

これまでの精子検査では、妻を妊娠させる指標として、運動率が良く、精子数が多ければよいという考え方で、射精した精液をそのまま(源精液)の状態での検査をおこなっていました。しかし、この源精液の中には、6~8割程度、劣化(老化)した精子や高度にDNAが損傷した精子が含まれています。これらは妊娠につながるような優れた精子ではありません。

実効精子検査は、これらの不良な精子もまとめて検査するのではなく、精液の中から、遠心分離で明らかに受精に寄与しない劣化した精子を排除し、奥様の卵子に授精して妊娠できる精子がどれくらいいるかを精査する新しい検査です。

実効精子を選り分けるために、源精液に特殊な試薬を加え、遠心処理をおこないます。DNAが損傷してしまった老化変性精子群は他よりも少しだけ重いため、遠心処理により、この比重の違いでDNA損傷がほとんどない実効精子群に分離することができます。

源精液中には、個人差はあるものの、約20~50%のDNA損傷精子が含まれていると言われており、この検査を受けることで自分の精液中に不良な精子がどのくらい割合を占めるのかが動画で確認することができます(下記、老化変性精子・DNA損傷精子群動画参照)。同時に、これらの不良な精子を廃棄して選り分けられた実効精子も動画でご確認いただきます。

選別後に、実効精子濃度が低く、無効精子が8割を超える場合には、「良さそうに見えて実は以外と悪い」場合があります。これまでは不妊治療が進まないとわからなかった精子の異常が、事前にこの検査で予測できる可能性があるのです。

精子がいて、動いているかをまず知りたいという方は、基本精子検査をお受けいただきます。しかし自分の精子が悪くて、奥様に余分な検査や治療を受けさせるようなことをできればしたくない方には、実効精子検査では良い選択肢になると思います。老化精子があまりにも多く、実効精子が少ない場合には、男性側の治療可能な不妊原因を治療することでより早く結果が出ます。


体外受精や顕微授精をご検討されている場合には、『高精度精子検査Bコース』の受診を推奨しています。実効精子からさらに2度の選別を行った選別良好精子に対し、DNA・細胞膜・先体反応など7項目精密検査します。


精子選別の流れ(実効精子検査、高精度精子検査Aコース)

源精液の状態から精子を選別していく工程をご説明します。

源精液

射精した精液のそのままの状態です。基本精子検査は、源精液検査をおこないます。

源精液動画

実効精子

源精液に細胞を分離する特殊な試薬等を加え、遠心処理を施した後の状態です。源精液は実効精子群とDNA損傷精子群に分けられます。実効精子検査は、DNA損傷精子群を排除した良好な精子群検査を実施します。

実効精子群

老化変性精子・DNA損傷精子群(受精に寄与しない明らかに不要な精子)

選別後(良好精子群)

実効精子群をさらに2度の遠心処理等を加えて、精子を選びこみます。この段階になると無菌化され、DNAに損傷がなく細胞膜に損傷がない精子群(良好精子)に調整されます。これらは、ART(体外受精や顕微授精等)に使用するに値するレベルまで複製された精子群です。高精度精子検査Aコースではこれらの最終的に残った良好精子がどの程度確保できるのかを調べることができます。

良好選別精子動画


実効精子検査予約~検査までの流れ

実効精子検査の流れ

電話予約完全予約制のため、必ず事前の予約が必要となります。電話でのご予約、問い合わせフォームからメールでの予約も可能です。※当日までに2日~5日の間での禁欲期間の調整が必要になります。
問診票の記入問診票を記入していただきます。
検体採取院内の採精室(毎回アルコールで清掃された非常に清潔な個室です)にて、容器に採精をしていただきます。
検 査検査室にて、検査を行います。3~4時間程度で結果報告書が完成します。※基本精子検査は当日に結果診察をお取りしていますが、検査にいらっしゃっていただく時間によっては、当日の結果診察がおこなえません。当日に結果診察をご希望される方は予約の際にご確認下さい。
結果説明
カウンセリング
検査結果と、精子の動きを動画で確認しながら、医師より結果と治療方針の説明を行います。

費用(税込)

初診時検査費用
実効精子検査38,500円
  • 初診料、結果説明時の診察料含む
再検査費用
実効精子検査33,000円

ご不明な点がございましたらお気軽にお問合せください。

  • 当院は完全予約制となります。
  • 完全予約性のため、直接ご来院されての検査はお受けしておりません。あらかじめ電話またはメールでご予約をお取りください。

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