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男性更年期障害について

• 男性更年期障害の症状

  ① 精神・神経症状 気力・集中力の低下、イライラ、気分の落ち込み、不眠
  
  ② 身体的症状 倦怠感、肩こり、動悸、発汗、ほてり、手足のしびれ
  
  ③ 性機能関連症状（男性度） 性欲減退、勃起障害（ED）、射精感の減退
  
  ④ 泌尿器症状 頻尿、残尿感、尿流速低下
  
  に大別されます。
  配置転換、転職、転居、離婚などが契機になることが多いです。
  外来を受診された際には、所定の問診票に記入していただき、それを点数化して症状の特徴や重症度を評価します。

• 男性更年期障害の検査

  血液検査 特に男性ホルモン、性腺刺激ホルモン、などが中心です。
  前立腺がんマーカー(PSA)も検査します。一般的な検査をチェックする場合もあります。
  
  尿検査 尿中の蛋白、糖、赤血球（血尿）、白血球（膿尿）の有無を検査します。 超音波エコー検査：腎臓・膀胱・前立腺・精巣を画像検査します。

• 男性更年期障害の診断・治療

  まずはPSA高値で「前立腺がん疑い」の診断となった場合は、そちらの精査が優先になります。
  原則として、男性ホルモン値が低い場合が治療対象です。
  症状の程度、ご本人の希望で治療法を決定します。
  以下のようなものがあります。
  
  男性ホルモン補充療法注射、内服、外用（塗り薬）など
  
  勃起障害(ED)治療薬シルデナフィル、タダラフィルなど
  
  漢方薬体質、症状に応じて使い分けます。
  各々の症状に該当する代表的な漢方です。
  ・精神神経症状に（柴胡加竜骨牡蠣湯、桂枝加竜骨牡蠣湯）
  ・身体的症状（補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯）
  ・性機能関連症状（柴胡加竜骨牡蠣湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、八味地黄丸、補中益気湯）
  ・泌尿器科症状（八味地黄丸、牛車腎気丸）
  
  診断の参考にしますので、健診の結果を持参してください。

• 男性更年期障害の治療効果など

  男性の場合、女性に比べて男性の方がメンタルな症状が強い傾向があり、大半の方が精神科や心療内科の受診歴があります。
  もしも治療効果が乏しいようなら、男性更年期障害の外来を受診してみてください。
  
  治療を受けた患者さんの声 「気力が戻り、手がつかなかった懸案事項（親の遺品整理）を始められた。」
  「自営業で、社員のミスに『今後気をつけるように』と諭したら、『社長！いつもとちがう優しい対応に拍子抜けしました。』と言われた。今まで自分は怒鳴っていたらしい。」
  「アウトドア派の自分が、長い間家に引きこもっていた。最近、活気が戻って能登半島をバイクでツーリングしてきた。走る前にバイクのメンテが必要なくらい、長期間のブランクだった。」
  「塾の講師をしていますが、『最近の先生の授業、わかりやすい。』と言われました。前は言葉に詰まったり、今どこを読んでいるかわからなくなることがありました。」
  
  実際に外来で交わされた会話です。
  一方、男性ホルモン補充で、改善が見られない方もおられます。
  その場合は、漢方薬中心の治療になる場合もあります。
  心療内科をご紹介するもあります。

• 男性更年期障害の予防法

  ・ストレスをためない
  ・まじめで几帳面な人ほどなりやすいので、「おおざっぱ」をこころがける
  ・「男のプライド」にこだわらない
  ・運動不足、睡眠不足の解消
  ・節酒、禁煙
  ・和食中心の食生活
  などが挙げられます。

• 治療費について

  初診時は十分に時間を取って問診検査を行い診断します。
  初回費用は20,000円程度になります。
  男性更年期障害の診断後の治療（飲み薬やホルモン補充療法など）は保険診療で行っております。

• 最後に

  中高年男性の、心身の不調は決して「ぜいたく病」ではなく、ホルモンバランスが失調した病気で、治療の対象になるものです。
  「男性更年期障害かな」と自覚したら、あるいは家族に指摘されたら、あなたの生活の質（クオリティオブライフ）の向上のために、ぜひ当クリニックの男性更年期外来を受診してみてください。