精子の運動率が低い
精子の運動率が低い場合どうしたらいいのでしょうか?精子の運動が悪いと男性不妊の原因となってしまいます。
目次
精子の運動率とは
精子がどれだけ運動しているか?
精子の運動率とは、精液の中の精子がどれだけ運動しているかの数値のことです。
精子の運動率が低すぎると、「精子無力症」と言われます。男性不妊の原因のひとつです。
男性の身体も、年齢とともに老化していきます。女性の卵の質が加齢とともに低下することについては、よく言われていますが、男性も同じく35歳を境目に、精子をつくる機能も低下するといわれています。
精子は毎日作られていますが、やはり20代の方が精子の質はよい場合が多いです。若い方が精子の運動率も高いと言えます。妊活をする場合は、若ければ若いほど、子供は作りやすいといえます。
精子の運動率が下がるとどうなるのか
個人差はありますが、精子は35歳を過ぎると、少しずつ劣化していきます。正常な精子の運動率は55%以上と言われています。

精子は上部の図のような形をしています。ミトコンドリアと呼ばれる部分が、精子が前進するために必要なエネルギーをつかさどるところになります。このエネルギーが不足していたりすると、精子の運動率や前進する力が不足してしまいます。
精子の運動率が低いと卵子まで到達できず、受精しにくくなるため、妊娠する確率が低くなる可能性があります。
精子無力症の症状とは
精子の運動率が42%以下の場合、「精子無力症」と言われています。
以下の動画は、正常な精子の動画です。
精子濃度は 13,000万/ml 運動率は60%です。
これが健康な精子です。見てわかる通り、元気で、運動率も高い精子ばかりです。
それでは、次の動画を見てください。
精子濃度は 約1,500万/ml 運動率は約20%です。いかがでしょうか?この状態になってしまうと、「精子無力症」と言われる水準になります。運動率も低く、精子の数も少なく、まったく動いていない精子もいます。この数値だとなかなか自然妊娠をするのが難しい状態になります。
2つの動画を比較してわかる通り、精子の数や運動率だけでも大きな違いが出てきます。
自分の精子がどのくらい老化しているかを調べる新検査
現時点で自然妊娠が可能かどうかの判定については、無効精子(劣化精子、DNA損傷精子を遠心分離で排除し、奥様の卵子に授精して妊娠できる精子がどれくらいいるかを測定する、実効精子検査で行います。射精を待つ間に精子は劣化しますが個人差があり、数が多くてもほとんど老化してしまうケースもあります。
当院にはこれまで精液所見に問題がないと言われたにもかかわらず、顕微授精反復不成功のご夫婦が多くご来院されます。ご主人の精子の状態を詳しく調べると、様々なタイプの「隠れ精子異常」が高頻度で見つかります。事前に調べておくことで、奥様に余分な検査や治療をさせる前に自分が治すべきかを知ることができます。
精子の運動率を上げるには
精子の運動率を上げるには、日ごろの生活習慣なども大事です。
・お酒やたばこをひかえる
・ゆるい下着を着る
・バイクや自転車に乗りすぎない
・お風呂で長湯したりして、睾丸をあたためすぎない
などが大事です。
精子の運動率を上げるには、日ごろの生活習慣を見直す必要があります。さらに精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)になっている場合、精子の数や精子の運動率が低くなっている可能性があります。
男性の年齢が高い場合は、早めに専門の医師による診断を受けるのも、選択肢にいれてみてはいかがでしょうか?

