男性不妊の治療、検査、相談なら「エス・セットクリニック」

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男性不妊治療ガイド Infertility Treatment Guide

2023.09.17

精索静脈瘤 ~一生に一度の手術にするために~

これまで精索静脈瘤手術は、治療効果がわかりづらいことと、ある一定の割合で発生する静脈瘤の再発による再手術、また副作用(陰嚢水腫等)による手術後の治療の長期化が問題とされていました。また、精索静脈瘤の手術後、一般的には、精子濃度や運動率がどれほど増加したかを観察しますが、治療効果を正確に判定するには、これらの指標では不十分です。精液から精子を選別し、精密検査によって『質の良い精子』がどれくらい増えたかを知る必要があります。エス・セットクリニックはこれらの問題を解決しうる、高精度精子検査を専門とする当院ならではの新しい治療プログラムを開始しました。

顕微鏡下手術を得意とするベテラン医師チームが、治療効果の明確化を中心に、“治療の結果にこだわる” 精索静脈瘤手術を行っています。(手術3か月後に手術が成功したかどうかを超音波検査にて確認、質の良い精子がどれくらい増えたのかを精子精密検査で比較します。治療費に含まれています。)

​高精度精子検査Bコースを、手術の前後に割安な価格で2度受けることができる、非常にお得なセット価格になっています。奥様と生まれてくるお子様のために、この手術を決断される患者様に、できるだけ一生に一度の手術としていただき、満足度が高い結果となるようスタッフ一同でサポートさせていただきます。

精索静脈瘤とは

精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)は男性不妊症の代表的な原因です。これは、睾丸(以下精巣))から心臓へ還る血管(以下静脈)が複数の原因によって逆流して、精巣の上部に血液の溜まり(瘤⦅こぶ⦆)を形成する現象です。血液は温度が高く、この溜まりが精巣を温めるヒーター役になってしまいます。その結果、精巣周辺の温度が高くなり、精巣は熱に弱いため、精子を造る場として最悪の環境に陥り、精子形成や精子運動性に悪影響が出ます。程度の軽い重いは主に瘤の大きさによります。軽度の場合は薬物、特に漢方薬が多用され、サプリメントなども用いられます。 程度が重くなると手術が選択されます。

 

治療方針の決定

手術は、「妊活1年経過しても妊娠しない。」「精子所見が悪い。」の二点があれば、有力な選択肢となります。さらにご夫婦の年齢や治療歴なども考慮されます。程度が重くても、しばらく薬物療法+サプリメントで妊娠に至ったご夫婦もおられます。
一方で「手術は意味がない。」「手術よりも体外受精・顕微授精を先に。」という意見には疑問符がつきます。体外受精、顕微授精に伴なう女性の身体的な負担は重く、男性の手術の方が負担は軽いですし、手術後の精子所見の改善次第では自然妊娠、人工授精で挙児を得た例も少なくないからです。
ただし、精子所見の改善には数か月から1年程度を要しますので、「そんなに待てない。」という奥様であれば、体外受精、顕微授精を優先することもありえます。
要するに、ご夫婦の条件と考え方に合わせて、複数の道筋があるというわけです。当クリニックでご相談しながら最適な方針をお決め下さい。

 

術前の高度解析検査

手術を決断する根拠として、当クリニックの高度精子解析検査(Bコース)を手術前に受けていただき、その結果(つまり手術前の精子の質を見極める=手術による改善の余地⦅伸びしろ⦆があるか)を検討しています。(この術前Bコースは希望により省略可)

 

術前検査(予備検査)

手術の安全を期すため、手術に先立ちご本人の健康チェックを行なっています(血液検査、心電図、血圧、体重など)。過去には、重症な高血圧や糖尿病などで手術を見合わせた方もおられます。

 

精索静脈瘤の手術

手術は、局所麻酔で行ないます。切開は足の付け根の部分を2.5cmくらいで横に切る「横切開」です。片側60分、両側手術の場合は120分程度です。

清潔な手術室を完備しています。BGMが流れ、くつろいだ雰囲気の中で行なわれます。

手術後は、回復室で30~60分程度、休憩していただき、その後帰宅となります。

 

“結果にこだわる”精索静脈瘤手術を!

顕微鏡下手術に習熟したベテラン医師チームが“治療の結果・効果にこだわる” 精索静脈瘤手術を行なっています。

手術の際に、ドップラー血流計という精密機械を使用します。静脈は切断する際に、くっついて並走する大事な動脈やリンパ管を一緒に切断してしまうことがあり、これが術後の激痛や精巣萎縮、陰嚢水腫(陰嚢に水がたまる)等の副作用につながります。逆にこれを

こわがって切断しないで静脈を残すと、静脈瘤の再発を招きます。当院では、時間はかかりますが、医師がこのドップラー血流計で一本ずつ脈管の音を聞き分けて、それらを手術顕微鏡で視認し、チームで確認したうえで、動脈とリンパ管を出来る限り温存し、静脈はすべて切断しております。結果として、副作用や再発がほとんど無い手術となっています。

 

術直後のチェック

日帰り手術では、患者さんにとって帰宅後の痛みや術創部の状態は気になるものです。当クリニックでは、手術翌日に受診していただき、必ず痛みの有無や術創部のチェックを行なっています。

 

術後数週間目にも・・・

稀ですが、痛みや創部に不安がある場合には、希望により2週間後や1か月後にも診察を行ないます。

 

術前後の流れ

一般的な精索静脈瘤の手術と当院の手術には以下のような違いがあります。

 

術前後の流れ(他院)

 

術後流れ(他院)

術後流れ当院

 

術後の精索静脈瘤の確認

当クリニックでは術後3か月後に、エコーによる精索静脈瘤の検査を行ないます。静脈瘤の縮小や精巣への血液の逆流の消失を確認します。いわば、手術の出来栄えをチェックするわけです。

術後の静脈瘤の残存や再発がある程度起こりうる状況では、このチェックは、私たちとしては挑戦的な試みです。しかし手術を受けた患者さんに、都合の良い話(静脈瘤の縮小や逆流の消失)ばかりではなく、都合の悪い話(静脈瘤の残存や再発)もお伝えして、クリニック全体で、責任をもってフォローします。

それが患者さんの安心につながると考えます。

 

 

術後の精子所見の確認

これまでは、「手術をすればそれで終わり。」のことが多く、術後に精子が改善したのかどうかがわかりにくく、不妊症治療に切れ目が生じる傾向がありました。

当クリニックでは、手術前(前述)、術後3か月、6か月に、精子の状態をチェックします。

 

〇 術後3か月の精子検査

まず術後3か月目は、簡易な精子検査を行ない、精子濃度や精子の運動性など基本的事項が改善しているかを確認します。改善が乏しい場合には、内服薬やサプリメントを追加処方することがあります。

 

〇 術後6か月の精子検査

さらに、手術から術後6ヶ月後に精子の高精度精子解析検査(Bコース)を行ないます。ここで精子の質がDNAレベルで改善していることを確認できれば、思い切って体外受精や顕微授精にチャレンジすることが可能になります。このDNAの質が正常(DSB:DNA二重鎖切断陰性率80%以上)まで改善していることが確認できれば、しばらくは自然妊娠を狙う計画もありえます。根拠をもって納得して進めることができるわけです

 

 

術後の精子所見から不妊治療へ

担当医は、タイミング(術後の期間やカップルの年齢など)と精子の改善の程度から、泌尿器科の側から見た、最適なカップルの不妊治療の提案をします。

このように、当クリニックでの精索静脈瘤手術を経たカップルには、その時々でご自身たちにとって最も確度の高い治療を泌尿器科医師と相談し、納得して選択できるというメリットがあります。

当院は、男性患者さんにとって、精索静脈瘤手術を“一生に一度”の手術にするために、手術はもちろんのこと、その前後の細かく切れ目のないケアが重要であると考えます。パートナーと生まれてくるベビーのために、そして覚悟を持って手術に臨まれたご本人のために、その後の不妊治療成功の足掛かりとなるよう、当院の総力で最大限のサポートを進めてまいる所存です。

 

高精度精子解析検査

 

高精度精子解析検査について説明します。

この検査は、精子の数や運動率といった基本項目から踏み込んだ検査項目であり、体外受精等に使用できるレベルまで選別した運動精子に対しての検査です。「DNA構造異常」「耐凍能」「先体反応誘起能」「ミトコンドリア局在」4つの精密検査を行い、手術前の『精子の質の評価』、手術後の『精子の質の改善』を比較検討します。結果は数値や動画で見える化します。(6か月後検診プランにはこれらの検査費用が手術費用に含まれています。)

 

1.DNA構造異常

DNAは「生命の設計図」と言われる通り、ベビーが成立するための最も重要な検査です。

精子のDNA二重鎖切断陰性率(DNAが切れていない=つながっているものの割合)を測定するものです。

射精精液には、個人差はありますが、DNAが切れた精子(DNA損傷精子)が混じっているのが普通です。射精精液から良好な精子(DNAが切れていない精子)を選別します。選別後精子で、DNA二重鎖切断陰性率60~80%が目安になります。

単一ヒト細胞(精子一匹)に由来するDNA fiberを断片化する高度な技術を使用し、精査します。

 

2.耐凍能検査(凍結→解凍に耐える能力)

精子が凍結保存に耐える能力があるのか?を検査します。解凍した時の精子生存率を算出します。この割合が一定水準を超えていれば、質の良い精子をストックすることができるわけです。この凍結保存を複数回行なえば、多くの凍結保存精子が確保されることになり、採卵当日に心強い精子のバックアップが用意できることになります。

当院ではこれまで技術的に難しかった冷凍精子の保存技術を新しく開発し、解凍した時に高い精子生存率を確保がすることが可能になりました。

 

3.先体反応誘起能

精子の卵侵入に必要な能力である「先体反応誘起能」、すなわち受精する能力の程度を把握します。精子濃度(精子数)や運動率が正常であっても、この能力が低い場合があります。これでは、体外受精に適合しない可能性があります。

本検査では、先体反応誘起能を有する精子の割合を算出します。また特殊な試薬と蛍光顕微鏡を用いて先体部分を染色して、可視化します。

 

4.ミトコンドリア局在

ミトコンドリアは、精子の中片(首の部分)に存在します。精子運動のエネルギー供給を担っている、いわばエンジンです。

ミトコンドリアに緑色蛍光物質を取り込ませ、エネルギー産生能と中片の形状を観察します。未成熟な精子はこの中片部の形状が成熟精子と異なる場合が多く、精子成熟性の検査としても有用です。また非運動精子には蛍光物質が取り込まれないため、精子の運動能の指標としても有用です。

 

 

 

一生に一度の手術にするために

これまで精索静脈瘤手術は治療効果がわかりづらいことと、ある一定の割合で発生する再発と再手術、また合併症(陰嚢水腫等)が落ち着くまでの経過の長期化など、様々な問題がありました。当クリニックでは、手術後3か月に精巣超音波検査でそうした合併症の有無を調べています。

また、術後の治療効果の検証には、これまで精子の濃度と運動率を用いてきましたが、これらの指標だけではでは不十分で、質の評価が不可欠なのです。つまり精液から精子を選別した精密検査によって、『質の良い精子の増加』が確認されなければなりません。

この課題に対して、高度精子検査・解析を専門とするエス・セットクリニックでは、新たな検査プログラムを展開しています。つまり手術前後で高度精子解析(Bコース)を2回行なうというものです。(非常にお得なセット価格になっています。)

奥様と生まれてくるお子様のために、この手術を決断される患者様に、できるだけ一生に一度の手術となるようスタッフ一同でサポートさせていただきます。

 

監修医師からのご挨拶

受精能力のある精子(卵子の相手がつとまる精子)は射精精子全体の中の一握りの精子です。土の中の砂金のようなものです。「精子なんてたくさんいるんだから、何回かの行為で精子のどれかが、卵子にたどりつけば妊娠するんじゃないか。」と思いがちですが、そうではなく「一握りのエリート精子のために、ダメもとで大量の精子を提供している。」という解釈が正しいのです。

精子は一握りの勝者を決めるトーナメントを毎回繰り広げていることになります。実力に運も必要です。卵子の立場から言えば、高いクオリティの赤ちゃんをこの世にもたらすというミッションを達成するためには、一握りのエリート精子とだけ受精を成立させるということになります。つまり妥協のない精子選別を体内で行っているのです。

したがって普通に妊娠することがそもそも奇跡的な事象なのです。

男性不妊に対する正しい知識を身に着けて早期の妊娠を目指しましょう。

 

監修医師 中條 弘隆

エス・セットクリニック院長
男性不妊外来を担当

精子精密検査ができる国内初の男性不妊専門医院であるエス・セットクリニックが2012年に開院した当初より参画し、
延べ8000人以上の男性不妊診療に従事してきた。
日本泌尿器科学会専門医。

 

中條 弘隆
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