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男性不妊の原因のひとつに、「副性器機能障害」というものがあります。
副性器とは陰茎、精巣(睾丸)以外の精巣上体(副睾丸)、精管、精のう、前立腺を指します。副性器に何らかの障害が起きると、精液に異常をきたし、結果として精子の状態が悪化(運動率の低下や形態の損傷)してしまいます。また、精子の通路が狭くなって精子の通過障害がおこる場合もあります。
1⃣ 感染が原因の場合
性行為感染症、一般細菌による感染症があります。性行為により感染する以外にも過労や睡眠不足が原因で発症することもあります。精液や尿が濁って見えます。あるいは排尿や射精の時に痛みを感じたりもします。精液検査の顕微鏡検査で白血球が認められたり、尿の中に白血球が認められたりすることで判明します。
検査は精液や尿の培養検査で細菌を検出します。
治療は細菌の抗生剤感受性に合わせて治療します。
2⃣ ウイルス性感染が原因の場合
合併症、後遺症として起こるものがあります。流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)が有名です。ムンプスウイルス以外でもあります。精巣上体が炎症の影響で硬くなり精子の通過障害を起こしたり、精巣そのものがダメージを受けて造精機能障害をきたしたりします。
検査は問診と触診、エコーです。
治療は対症療法が中心です。
検査は尿検査、直腸指診(肛門から指を入れて前立腺を触診して、圧痛や腫脹(腫れ)があるかを検査する手法)、エコー検査などです。
治療は慢性前立腺治療薬、消炎剤、漢方薬です。受診のたびに上記の直腸指診で前立腺マッサージを治療として行なう場合もあります。
4⃣ その他の原因
外傷交通事故スポーツ外傷や手術(鼠経ヘルニア、停留精巣、パイプカットなど)の後遺症で精子の通路が切断されていたり、狭くなって、精子の通過が妨げられます。
検査は精液検査、血液検査、画像検査などです。
治療は外科的に切断部や狭窄部を摘除して健常部同士をつなぐ手術や無精子の場合は精巣内精子採取法(TESE)を行ないます。
男性の性感染症(主として淋菌性、クラミジア性)では、尿道が炎症の主たる場(尿道炎)ですが、炎症が前立腺や精巣上体に波及することがあります。感染を長期間にわたり放置していたり、睡眠不足や過労で体力が低下している場合に、そうした状態に至ります。尿道炎ならば短期間(原則1日)で治療が完了するところが、症状が消えなかったり、治療が長期間にわたったりします。妊活中であれば、精液・精子に支障が出ることもあり、良いことはひとつもありません。
女性の性感染症では、膣、子宮頸管から骨盤内全体に波及する心配があります。おりもの、不規則な性器出血(不正出血)、下腹部痛がある場合は早めの検査・治療をお勧めします。こうした病態が女性の不妊症の原因にもなり得ます。
最近、女性が性感染にかかった場合、高率に尿中に原因菌が混入することが明らかになっていますので、尿を検体として検査が出来るようになりました。(当クリニックでも尿で検査します。)
※性感染症は、カップル双方に影響が及ぶ可能性があり、また自覚症状が無くかかっていることもあります。当クリニックではカップルで検査を受けていただくことができます。(ペア検査として割引制度もあります。)
なお、検査は淋菌・クラミジア以外に梅毒やヘルペスなど8-9項目を感染症セットで行ないます。
「副性器機能障害」についてはいかがでしたか?精子の通り道や前立腺などに炎症がある場合、クラミジアなどの感染が疑われます。比較的に、自覚症状があるので、治療はしやすいとされています。
不妊が長く続く場合、男性サイドの不妊をもう一度うたがい、なるべく早い時点で医師に相談するなどすると良いかもしれません。