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「なぜ、男性不妊のサイトで卵子の話を?」——そう思われた方もいるかもしれません。
これはとても自然な疑問です。
妊娠は、精子と卵子が出会うことで成立します。
言わば「バトンパス」のようなもの。パートナーが差し出す卵子というバトンを、最高の状態の精子で受け取る——そのためには、お互いの身体のことを理解しておくことが大切です。
ここでは、卵子の仕組みと、なぜ「時間」が大切なのかを解説します。
女性の生殖機能は、「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という2種類の女性ホルモンによって調節されています。
卵巣の中には「卵胞」と呼ばれる細胞がたくさんあり、その中に1つずつ「卵子」が入っています。
卵胞と卵子の関係
卵胞=卵子を包んでいる「殻」のようなもの
卵子=卵胞の中にある、受精の主役となる細胞
脳の「視床下部」と「下垂体」からの指令により、卵胞は卵子とともに成熟していきます。
毎月、十分に成熟した卵胞が破れ、中の卵子が卵管を通って子宮へ向かいます。これが「排卵」です。
ここが精子との大きな違いです。
精子と卵子の決定的な違い
精子:毎日新しく作られ続ける(約70〜80日で成熟)
卵子:生まれる前に全て作られ、以降は増えない
この違いが、妊活において「時間」が重要視される理由です。
卵子の元となる「原始卵胞」は、女性が胎児のうちに作られます。
妊娠5〜6ヶ月頃には500万〜700万個にまで増えますが、出生時には約200万個、思春期には約30万個まで減少します。
その後も毎月の排卵や自然消滅により減り続け、新たに作られることはありません。
卵子は数が減るだけでなく、年齢とともに「質」も低下していきます。
これが、女性の年齢が妊娠率に大きく影響する理由です。
| 年齢 | 卵子の状態 |
|---|---|
| 〜35歳 | 比較的良好な状態を維持 |
| 35〜37歳 | 徐々に質の低下が始まる |
| 38歳〜 | 質・数ともに低下が加速 |
| 40歳以上 | 妊娠率が大きく低下、染色体異常のリスク上昇 |
だからこそ、ご夫婦で早めに検査を受け、現状を把握することが重要です。
不妊の原因は、約半数が男性側にあるとされています。
パートナーの卵子に限りがあるからこそ、男性も早い段階で精子の状態を確認しておくことが、時間を無駄にしない妊活につながります。
体外受精・顕微授精には回数制限があります
現在、保険適用の体外受精・顕微授精には、年齢による回数制限(40歳未満:6回、40歳以上:3回)が設けられています。
貴重な回数を無駄にしないためにも、精子の状態を事前に詳しく知っておくことが重要です。
当院には、精液所見に問題がないと言われたにもかかわらず、顕微授精がうまくいかないご夫婦が多く来院されます。
詳しく調べると、通常の検査では見つからない「隠れ精子異常」が高頻度で見つかります。
パートナーの身体を理解し、ご夫婦で同じ方向を向いて妊活に取り組む——
その第一歩として、まずは男性側の検査から始めてみませんか。
受精能力のある精子——つまり「卵子の相手がつとまる精子」は、射精された精子全体のほんの一握りです。土の中の砂金のようなものです。
「精子がたくさんいれば、どれかが卵子にたどり着くだろう」と思いがちですが、実際は違います。「一握りのエリート精子を送り出すために、大量の精子を用意している」というのが正しい理解です。
卵子は、高いクオリティの赤ちゃんをこの世にもたらすために、妥協のない精子選別を体内で行っています。だからこそ、妊娠は奇跡的な現象なのです。
男性不妊に対する正しい知識を身につけ、早期の妊娠を目指しましょう。
エス・セットクリニック院長
中條 弘隆
日本泌尿器科学会専門医
延べ8,000人以上の
男性不妊診療に従事