女性の卵子の数は決まっている
女性は年齢を重ねるごとに卵子が減っていくと言われています。そんな卵子ですが、どのように作られているのか?年齢によってどのように変化するのか?については知らない人も多いかと思います。
今回は「卵子」や「卵胞」について説明させていただきます。
目次
卵子と卵胞とは
女性の生殖機能は女性ホルモンによって調節・維持されています。卵子を説明する場合、女性ホルモンの役割を知ることが大切です。
女性ホルモンは「卵胞ホルモン」と「黄体(おうたい)ホルモン」の2種類があります。
女性ホルモンは卵巣から分泌されます。卵巣の中には「卵胞」と呼ばれる細胞がたくさんあり、その中には1つの卵胞に1つずつ「卵子」が入っています。

「視床下部」と「下垂体」の命令により、卵子は「卵胞」とともに成熟し、毎月1つずつ、十分に成熟した卵胞が破れて卵子が卵管を通って子宮の方へ移動します。これが「排卵(はいらん)」です。残った卵胞のうち、排卵した卵胞は黄体に変化します。
卵子が毎月一つ減る。というのは、この現象を言っているわけです。
「卵」とは原始卵胞を含む「卵胞」の事をいいます。卵子とは卵巣から排卵されたものの事です。分かりやすく図では、卵子と示していますが、実際には、排卵されたものを「卵子」といいます。

こちらの図の方がより正確です。卵は卵巣内にあり、卵胞が卵子を包んでいます。
月経周期に合わせて、10~20個ほどの卵胞が両方の卵巣で育ちます。そのうち一つの卵胞から、卵子が排卵されます。卵子は「卵管采(らんかんさい)」にキャッチされ、卵管膨大部に運ばれます。卵管膨大部で精子と出会うことで、妊娠の第一歩となる受精がおこります。
卵子はいつできるのか
女性の身体は、卵子の数が決まっています。数が決まっているために、女性は年齢とともに、妊娠率が低下するといわれています。
卵の元になる”原始卵胞”は、女性が「胎児」のうちにすでにできています。母親の胎内ですでに生産が開始されています。「原始卵胞」は細胞分裂を繰り返して、数をふやしていきます。そして、500万~700万個になります。

なんと生まれる前にすでに700万もの卵のもととなる細胞をもって生まれてくるわけです。それらの細胞は途中まで発育した状態で冬眠しています。思春期になると冬眠していた細胞が毎月10~20個ほど発育を再開し、3か月かけて成熟した卵になります最終的に最も発育の良い卵が1つ排卵します。このようにして、卵子の元である、「原始卵胞」は年齢とともに減少をしていきます。
オギャーと生まれて来る頃には、約200万個になり、なんと35歳になるころには、1~3万個に減少してしまいます・・・卵が減少するスピードは1ヶ月に約1000個だと言われています。
日本人の閉経年齢は約50歳で、閉経時には約1000個の卵が残っていると言われています。
女性の卵子の数は決まっているまとめ
いかがでしたか?「卵」や「卵子」についての知識が深まったと思います。
男性の精子は、どんどん作られていくのに対して、女性の「卵子」には数に限りがあります。タイミング療法などをするときに、AMH検査をしますが、これは「卵」の数を大まかに知るためです。
不妊治療をする場合、卵子や卵についての知識があると、なぜ検査が必要なのか?という理由が分かってきます。ぜひ卵子だけでなく、精子についてなども合わせて勉強するようにしてみてください。