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男性不妊治療ガイド Infertility Treatment Guide

2023.07.15

男性不妊の症状・種類・原因・検査について

不妊治療というと、「女性に問題がある」、「女性の年齢が問題なのでは?」という認識の男性がいまだに多いかもしれませんが、不妊の原因は、実は男性側にもあります。

慶応義塾大学病院産婦人科における、不妊夫婦5000組の原因調査の結果によると、男性不妊が約48%を占めるという報告がされています。

左のグラフを見ても分かるように、不妊の原因は男性のみが約24%、夫婦両方である場合が約24%あります。つまり、子供ができない場合、半分は男性にも原因があるのです。不妊は女性だけの問題ではありません。

日本は晩婚化がすすみ、結婚する年齢が上がっています。

すると必然的に、子供を作る平均年齢も上がってしまいます。しかしながら、女性が子供を産める年齢などはそれほど変化していません。

人によって差がありますが、男性も女性も35歳を過ぎる頃から、加齢による問題がふえることから子供ができる確率が減っていきます。

不妊治療を受ける場合は、「男性不妊」というキーワードを知っている事がとても大切になります。

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男性不妊の種類と症状について

男性不妊の種類として、「造精機能障害」「精路通過障害」「性機能障害」「副性器機能障害」などがあり、これらが精子の問題「乏精子症」「精子無力症」「奇形精子症」「無精子症」などを引き起こす原因となってしまうことがあります。
症状によって治療する内容や対処方法が変わってきます。

  1. 造精機能障害とは
    造精機能障害」とは文字通り精子を造り出す機能自体に問題があり、ただしく精子を造れない状態を言います。男性不妊の原因の約9割が造精機能障害によるものと言われています。
    造精機能障害には「乏精子症」や「非閉塞性無精子症」などがあります。先天性と後天性がありますが、原因がわからない場合が多く突発性なことがほとんどです。

    乏精子症乏精子症」とは造精機能障害のひとつです。精液の中に、精子の数が少ない場合に診断されます。具体的には、精子の数が1ml中1,600万未満の場合、「乏精子症」と診断されます。この精子の数(1ml中1,600万未満)は、WHOの基準です。
    乏精子症の治療方法には、ホルモン療法や漢方を使う療法があります。ホルモン療法では、クロミフェン製剤という薬を処方します。クロミフェン製剤だけではなくビタミンEを一緒に摂取する場合もあります。治療の効果については、体調や、年齢など人によって違うので、当たり前ですが効果がある人もいれば、効果がない人もいます。ホルモン療法はちょっと・・・という方は「漢方」を使った療法がオススメです。
    乏精子症の原因として、精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)である可能性もあります。

    無精子症

    精液検査で、全く精子が確認できない場合、「無精子症」が疑われます。
    無精子症は閉塞性と非閉塞性の大きく2種類に分類されます。

    「閉塞性無精子症」は精巣で精子は作られているが、精子の通り道が何らかの理由で通過障害を起こしている状態です。よくある原因には、過去の性感染症による精巣上体炎、子供の頃に鼠径ヘルニアの手術後の精管閉塞などがあります。

    閉塞性無精子症の場合、精子の通り道を開通させる「精路再建手術」で、精子が得られる可能性があります。その場合、女性側に問題がなければ、自然妊娠できることもあります。また精路再建できなかったとしても、精子は精巣で作れているため、simple-TESEまたはMD-TESEによって精巣から精子を採取し、顕微授精による妊娠の可能性が十分にあります。

    「非閉塞性無精子症」は精管に閉塞がなく、射精した精液に、精子がまったく見られない状態をいいます。よくある原因には、成人になってからのおたふくかぜによる精巣炎、染色体異常(クラインフェルター症候群)、原因不明の造精機能障害などがあります。

    ホルモン異常が原因の場合には、ホルモンを上げる薬をある一定期間投与することで、精子が精液中に出現することがあります。また、重度の精索静脈瘤がある場合には、精索静脈瘤の手術を行うことでわずかな精子が出現したり、そのあとに行うmicro-TESEの精子回収成功率が向上するという報告もあるため、ご夫婦の年齢等を勘案して手術をするかを慎重に判断します。

    非閉塞性無精子症の場合でも、精巣の一部でわずかでも精子を作っていることが確認されれば、精子を得られる可能性があります。通常、非閉塞性無精子症の手術は、精巣の中を顕微鏡下で確認しながら、精子がいそうな(太く白濁している)精細管という精子を作っている管を取り出す、顕微鏡下精巣内精子採取術(Micro-TESE)が一般的になっています。


    精子無力症精子無力症」とは精子の運動率がとても低い状態のことです。精子の運動率が低いというのは、精子が前に進む力が弱いということです。運動率が42%以下の場合、精子無力症と診断されます。 前進する精子が30%以下の場合をいうこともあります。正常な男性の精子は、運動率55%以上あるといわれています。

    精子無力症と診断されたとしても、サプリメントを飲んだり、精索静脈瘤の手術を受けることで精子の数や運動率が改善したというケースはたくさんあります。CoQ10のサプリメントでも精子の運動率が改善しない場合、高濃度Lカルニチンを飲むことで運動率が改善することもあります。

    奇形精子症奇形精子症」とは、正常な形をした精子が非常に少ない状態のことを言います。96%以上が奇形精子であると分かった場合には、奇形精子症と診断されます。

    健常な方でも正常な精子は、実は少なく、80%以上は奇形が占めているといわれています。実は4%もいれば良い方で、男性不妊外来に来られる方は、正常な精子が1~2%しかいないのが現状なのです。
    WHO(国際保健機関)の調べによると、年々成人男性の奇形精子の割合は増えており、1999年に85%だったものが、2010年には96%と激増傾向にあります。正常な精子が全体の4%以上いれば、正常とされるレベルです。

    頭部の形に異常がある精子(奇形精子)は、DNA情報が正常ではなかったり、前進する力が弱かったりするので、射精後に卵子を目指す、厳しい生存競争に耐えられず、淘汰され、正常な妊娠に結びつかないのです。
  2. 精索静脈瘤
    精索静脈瘤」とは精巣の上にある精巣静脈で逆流が生じてしまい陰嚢付近にできる静脈瘤です。

    精索静脈瘤は代表的な男性不妊要因とされ、精巣そのものの障害ではなく、精巣周囲の温度が高いことで結果的に造精機能障害に陥ってしまうのです。一般男性の15%ほど、男性不妊と診断された方では40%ほどにみられます。当クリニックにおいても男性不妊の検査でいらっしゃる方の4割ほどに精索静脈瘤が見つかっています。

    精索静脈瘤は日常生活には大きな影響を与えないとされていますが、精子所見の悪化、精子の質の低下、男性ホルモンへの影響など男性不妊には大きな影響を与えるとされています。
    精索静脈瘤の治療方法には、漢方やサプリメントを飲んで経過を観察する保存的療法と手術による外科的療法があります。

  3. 性機能障害とは
    性機能障害」とは最近増えている男性不妊の原因です。なんらかの原因で性交を行うことが困難な状態や射精ができない症状をさします。 性機能障害には精神的な理由や肉体的な要因があり、薬で治療できるものから、手術が必要なものまで様々あります。 性欲がわかない、膣内で射精できない・・・と言う症状は、男性にとってはかなり精神的なダメージを与えるものです。
    性機能障害には「勃起障害」、「射精障害」、原因不明のものがあります。

    勃起障害(ED)男性は女性をみて、感情が高ぶることで勃起しますが、それが起こらない状態といえます。男性にとってはかなりつらい状態といえます。原因にはストレスなどによる心因性のもの、脊髄損傷などによる神経性の原因。血管性の原因があります。心因性でない場合は、バイアグラ等によって治療することができる可能性があります。また最近ではザルティアの連日投与で、根本的に治療するコンセプトの治療法も出ています。

    射精障害

    何らかの原因で射精ができない状況のことです。あるいは精液が出ない、タイミングよく射精できない状況のことです。射精障害にはいくつか種類があります。
    「無射精症」・・・オーガズムに達しない状態(交感神経が損傷するとこの症状が出やすくなります。)
    「逆行性射精」・・・射精時に膀胱側へ射精してしまう症状
    「早漏」・・・射精するのが早すぎる症状
    「遅漏」・・・射精までの時間がかかる状況
    「膣内射精障害」・・・マスターベーションでは射精が出来るが、性交になると射精ができない症状
    心因性の射精障害は、じわじわと男女共に精神を削っていきます。原因不明の射精障害の場合は、気持ちが落ち込んでいたりするので、医師に相談してみるのも一つの手です。

  4. 精路通過障害とは
    精路通過障害」とは精子が通る道がふさがっている、なんらかの原因で狭くなっている場合に診断される症状のことです。
    粘管に造影剤を注入する精管精嚢造影検査を行い、精路が閉鎖されている場合はどこが閉鎖されているのか調べる必要があります。
    精路通過障害の場合、精子は通常に作られている場合と、そうではない場合があります。精子が正常に作られている場合、精子の通り道を治療することで、男性不妊の治療をすることができます。先天性の場合には「先天性両側精管欠損症(CBAVD)」、後天性には、尿道炎や外傷、射精管閉塞症、前立腺嚢胞、小児期両側鼡径(そけい)ヘルニア術後、などが原因として考えられます。
    治療方法は精路通過障害の原因によって違います。鼡径(そけい)ヘルニア術後が原因の場合、精管をつなぎ合わせる、精路再建術などがあります。ただし閉塞していた期間が長いと難しいこともあります。
    自覚症状がなく発見が遅れてしまうことが多いですが、精路通過障害によって「乏精子症」、「精子無力症」、「奇形精子症」になってしまう可能性があります。

  5. 副性器機能障害とは
    副性器機能障害」とは睾丸以外の副性器(精巣上体、精管、精のう、前立腺)に問題がある場合の症状です。男性の性器は「精巣(睾丸)」であり、それ以外は「副性器」と呼ばれています。副性器に何らかの障害が起きてしまうと、精子の状態が悪化してしまいます。それが男性不妊の原因となっています。
    原因としては精管、精嚢、前立腺、陰茎(ペニス)に炎症を起こした場合、精子の運動率が低下したり、精子の形が悪かったりと問題が起こることがあります。この場合、精液中の白血球が基準値より多く検出されることで発覚し、抗生物質が処方されます。その後、検査をして治療の方法が決められます。
    精嚢や前立腺が炎症する場合、「クラミジア」等のSTDが疑われます。「クラミジア」等に感染している場合は、妻も抗生物質の服用がすすめられます。その他、マイコプラズマ、結核菌、サイトメガロウイルスなどによる、精路感染が原因となっていることもあります。
  1.  

男性不妊の原因はなにか

男性不妊の原因は様々あります。精子が通過する場所に問題がある場合、精子を作るのに問題がある場合、勃起ができなくなったり、精神的な問題でセックスレスになってしまう・・・など男性不妊の原因は様々あります。

自分の不妊については、友人や家族などに相談しづらいデリケートな問題でもあります。そのため、他人であっても、医師のような専門的な第三者に話を聞いてもらう事が、かえって効果的である場合があります。経験豊富な専門の医師に相談すると改善策が見つかり、克服できることがあります。

しかしながら、医師との相性もあるので、一概にだれに相談したらいいのか?という判断が難しいところでもあります。

話を戻し、男性不妊の中で、最も多いものは「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」という病状です。あまり聞きなれない言葉かもしれません。

精巣に静脈瘤ができてしまい、血流が悪くなることがきっかけで精子の質が低下してしまうのです。
精索静脈瘤は男性不妊の大きな原因となっています。問題なのが、よほどひどくならない限りは痛みなどがなくので、病気の発見が遅れてしまうことです。

精子がうまく作られていない。精子の運動率が悪いなどの症状がある場合、一度は精索静脈瘤の可能性を疑ってみましょう。自己判断は難しいところですが、以下の症状にあてはまる方は精索静脈瘤がある可能性があり、是非ご確認いただければと思います。

・陰嚢サイズに左右差がある。(左が小さい)
・陰嚢の表面にしわがより、でこぼこしているような感じがする
・長時間座位または立位を続けた後に陰嚢にたまに痛みを感じる
・陰嚢の表面を触るとぷよぷよとしたこぶのようなものを感じる(かなり重症の場合があります)

 

男性不妊の検査について

男性不妊検査として代表的な検査を紹介していきます。男性不妊検査は大きく分けて『精液検査』と『精液以外の検査』に分かれます。

 

精液検査

男性不妊の原因のほとんどは精子の問題であるため、まず最初におこなう男性不妊検査は精子検査となることが一般的です。
精子検査といっても自宅で採精して郵送するものから、病院で採精検査をおこなうものまで色々あります。
挙児を望み、ご自身の精子について詳細に知りたいと考えるのであれば、専門の医療機関で検査することをおすすめします。

精子検査についてはこちらへ

 

精子検査メニューはこちらへ

 

精液検査以外の男性不妊検査

・ホルモン検査

・精巣の超音波検査

これらの検査は、検査結果から正確な診断をおこなうのに医師の経験が必要とされるため、男性不妊専門の機関で検査をすることが推奨されます。

特に男性不妊の代表的な原因である精索静脈瘤は超音波検査で診断されます。この精索静脈瘤は、医師による手術の必要性の有無の判断が必要とされます。

ホルモンの値がよくない際に処方される薬についても経験のある医師が状態をしっかりと把握しながら、薬の飲み方を指定する必要があります。

精子検査で結果が悪いといわれた方でも専門機関を受診することで治療可能な原因がみつかることも少なくありません。

 

精液以外の総合的な検査はこちらへ

 

男性不妊の検査はいつ受ければよいのか

男性不妊の検査は、大きく分けて精子の検査と精子以外の泌尿器科的な検査に分けられます。

精子の検査のみであれば、郵送検査、レディースクリニックでの検査などいろんなところでおこなえますが、精子について詳細に知ることのできる検査をおこなえる機関の数は限られます。

男性不妊専門医の数が少ないことから、泌尿器科的な男性不妊の検査をおこなえる機関の数も限られています。

精子検査で結果が悪かったため専門機関を受診するという流れが多く見られますが、違う病院を探す、再び検査をするなどと、時間的、費用的にも遠回りとなってしまいます。

不妊が疑われる場合にはまず男性不妊の専門機関を受診することで正確な診断、今後の方針などを判断してもらうとよいでしょう。

 

 

男性不妊はどう治療するのか

男性不妊と言われてもどんな治療をするのか?わからない人も多いかと思います。

男性不妊の治療は、ホルモンの薬による治療、漢方、サプリメント、医師の診察、精索静脈瘤などの手術など様々あります。

どれを選んだらいいのか?については判断が難しいため、医師に相談するのがよいとされています。

しかし、自分で情報を集めて比較し、どんな治療をしたらいいのか?ある程度自分で納得することが大事です。

なぜなら、セックスレスなど精神的な問題からくる「勃起障害」については医師でも対処が難しい部分があります。「やる気がおきないので、勃起しない・・・」というのは本人しか解決ができないため、男性ホルモンをあげる薬をのんだり、性機能を根本的に底上げするような治療もありますので、男性不妊を専門とする医師に相談することをおススメします。

不妊治療は、男性も前向きになることがとても大切です。

 

 

監修医師からのご挨拶

受精能力のある精子(卵子の相手がつとまる精子)は射精精子全体の中の一握りの精子です。土の中の砂金のようなものです。「精子なんてたくさんいるんだから、何回かの行為で精子のどれかが、卵子にたどりつけば妊娠するんじゃないか。」と思いがちですが、そうではなく「一握りのエリート精子のために、ダメもとで大量の精子を提供している。」という解釈が正しいのです。

精子は一握りの勝者を決めるトーナメントを毎回繰り広げていることになります。実力に運も必要です。卵子の立場から言えば、高いクオリティの赤ちゃんをこの世にもたらすというミッションを達成するためには、一握りのエリート精子とだけ受精を成立させるということになります。つまり妥協のない精子選別を体内で行っているのです。

したがって普通に妊娠することがそもそも奇跡的な事象なのです。

男性不妊に対する正しい知識を身に着けて早期の妊娠を目指しましょう。

 

監修医師 中條 弘隆

エス・セットクリニック院長
男性不妊外来を担当

精子精密検査ができる国内初の男性不妊専門医院であるエス・セットクリニックが2012年に開院した当初より参画し、
延べ8000人以上の男性不妊診療に従事してきた。
日本泌尿器科学会専門医。

 

中條 弘隆
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